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Beat Up

2024

対流通経済大戦観戦記

 「頂点を見据えた戦いをしろ。準決、決勝からいきなりいいプレーができるわけじゃないぞ」(清宮監督)。力強いコンタクト、激しいスイープ、果てなく続く高速アタック。1回戦からワセダがその力をまざまざと見せつけた。
 開始直後こそ拮抗した展開となったが、前半17分にWTB仲山聡(4年)がトライを挙げると、対抗戦を席巻した自慢のアタック力が爆発。フランカー羽生憲久(4年)が切れ味抜群の走りで再三に渡りラインブレイクを見せれば、NO8佐々木隆道(1年)もその嗅覚を如何なく発揮。BK陣も爽快なランニングでフィールドを疾走し、トライの山を築き上げた。圧巻は後半19分から見せた驚愕の3連続ノーホイッスルトライ。まるで練習を見るかのようなあまりに美しいアタックに秩父宮は感嘆の声に包まれた。どんなにトライを挙げようとも、どんなに点差を離そうとも80分間途切れることのない集中力。これこそが「頂点を獲る」という強い意思の表われ、『ULTIMATE』。「緩いプレーはひとつたりとも許さない」(清宮監督)。究極を目指すワセダに『妥協』の2文字は存在しない。
 『ULTIMATE CRUSH』。誓い合う圧倒的な力を見せ付けての覇権奪回。追い求めるは相対的ではなく、自分たちのなかにある絶対的な強さ。敵は己のなかにあり。『こだわり』『究極』『徹底』。112人の思いがひとつになるとき、ビクトリーチェーンが完成する。<HP委員 疋田拡>

<小学生に感激?清宮監督試合後のコメント>
「負けると引退だし流通経済大もいいディフェンスをしていた。いいタックルをしてくる相手と対戦して、自分たちのいいところ、課題が見えた。プロップとSOのところをここ2,3試合替えているけど、新しいメンバーも先が見えてきた。今日のできには満足している。早明戦が終わってからは基本プレーの精度を上げる練習をしてきた。特別に新しいことはしていない。(なかなかトライが取れなかったが)最初は相手も元気だからある程度はしょうがない。 途中からはブレイクダウンのところもよかったと思う。相手の前に出てくるディフェンスに対してもスイスイ抜けていたしよかった。指示通りできた。SOの栄次はまだまだ勉強不足だね。場面場面で物足りないところがあった。昨日テレビで小学生の30人31脚を見ていたらギネス記録を持っていたチームが最後のトーナメントで負けた。それを見ていい物を見たなって思った。気を引き締めないとだめだなと。トーナメントは勢いよくいった方が強いと改めて感じた。小学生がそれに向けて必死に練習しててすごく熱いんだよね。見ていてめちゃくちゃ感動したよ。選手には準決、決勝からいきなりいいプレーできるわけでないと言っていたんだけど、その番組を見ていいこと言ったなって思ったよ(笑)。次の相手が東海大になることは予想していた。立命館の試合をテレビを見てそう思った。東海大の雰囲気は大体分かっていたし。ファンの皆さん、グラウンドで待っています」

<切れのある走りを見せた山下主将>
「立ち上がりは接点のところで少し楽をしてしまい、2人目3人目が遅れてしまった。初めはスムーズに球が出てこなかったけど、うまく修正していい連続攻撃ができた。相手のヒットも強かったけど、うちのコンタクトの出足が悪かった部分もあった。たとえボールが出ないほど相手が強かったとしてもミスさえしなければ継続できる。今日は寝込んで、絡んで、ハンズオフという展開が多かったけど、レフリーがしっかりと反則を取ってくれた。ひとつひとつ激しくやって勝とうとみんなには言っていた。これからが本当の戦い。早明戦の後はダミーランしてしっかりコミットして抜いていくとか、そういう部分に重点をおいてやってきた。その点に関してはまあまあできたと思う。これからは今日の相手みたいに前に出てくるチームが多いと思うし、やっぱり自分たちとしても昨年の早明戦以来色々思うところもある。逃げないで勝負することが大事。基本さえできていれば問題ないと思っている。僕個人としても抜き方が色々あるし、今日は試した部分もあった。ミスをなくして成長していきたい。今日のデキにはあまり満足してません。もっともっとよくなりますよ。僕が花園で試合をするのはあの同志社戦以来ですね」

<4トライと大活躍を見せたWTB仲山>
「トライにはおいしいのもあったし、今日のデキは普通です。タッチに出されたのとタックルミスをしてしまったのが反省点。ステップは本能で出ました(笑)。今日は相手のディフェンスが不規則だったので、外からラインを深くしろとコールしていた。栄次、寛、大悟がうまくプレーをチョイスしてくれた。もうあと4試合しかないので、とにかく1戦1戦全力でやるだけです。今年は日本一しかない。昨年の悔しさを晴らしたい。今年は僕がライン際を駆け抜けて日本一へのトライを決めます!」

<上野監督へ恩返し自身10個目となるメモリアルトライを挙げたロック高森雅和>
「上野監督には自分が悩んでいる時に相談に乗ってもらったりと、お世話になっていたので、今日はいいプレーで恩返しができてよかった。高校時代に千葉県代表で一緒にプレーしたメンバーと対戦できてよかった。いい弾みになった。ワセダとしてはまだまだ先は長いですけど。今日はFWの足が重かった。そういう時にどう建て直すのかが大事。早く修正できないと強い相手だとやられてしまう。相手も強いのは当たり前だけど、最初から圧倒できるようにならなければダメだと思う。今日は基本に帰って練習でやってきたことをやろうと言っていた。そうしていれば相手も弱くなってくるし、自然といい感じでできるようになる。相手が近場で作り直してきた時など、モール対策はもう少し考えないといけませんね。今日はいいゲームだったと思う。昨年はここでケガをして終わってしまったので、今日はケガしなくてよかった。学生ナンバーワンのロック、チームで一番伸びた選手だと言われるようにがんばっていきたい。期待していてください」

<プロップとは思えないランニングで場内を大いに沸かせた大江菊臣>
「今日はフォローしていたところにたまたまボールが回ってきただけです。いつもはあのポイントでスイープしているんですけどね。たまたまです。試合前コーチの小山さんにCTBが抜けた時の反応を早くしろと言われていたので、その部分はできたと思います。ボールを持って走ることはあまり意識していません。スイープとかそういう目立たないところで目立つようにがんばりたい。スクラムはいい感じで安定していてよかったと思う。モールに関しても試合中にうまく修正して対応できた。いいところに入って止められた。試合中に修正できたのがよかったと思う。スクラムは負けません。自信あります。ヤング魂です。ヤングに試合を見にきてほしいですね」

<華麗に、そして淡々とボールを捌き続けたSH田原耕太郎>
「序盤に均衡するのは相手も一生懸命というのもあるかど、今日はFWが走れていなかった。前半のデキはあまりよくなったと思う。ダミーランとかチェンジアングルとか練習してきたことをもっと早めにだせればよかった。後半はうまく入れられたと思う。それを指示されてからではなく、自分たちでできるようにならなければダメ。その点を修正していきたい。基本の精度をもっと上げて優勝します」