早稲田大学ラグビー蹴球部WASEDA UNIVERSITY RUGBY FOOTBALL CLUB OFFICIAL WEBSITE

Beat Up

2024

日本選手権へ向け再出発 『東条組』はまだまだあがきます!

 あの敗戦から丸4日…、1月17日(水)の全体ミーティングをもって、『東条組』は日本選手権へ向け新たなスタートを切りました。

 まず21日までは、凍てついた心と体をゆっくり解凍するように、それぞれでポジション練習。そして、週明けの23日より日本選手権に向けたチームとしての練習を再開します。

 『東条組』に残された舞台・日本選手権は、今季の集大成、また新しいワセダのスタート。『東条組』として何かを残す―。ワセダたる所以を見せる―。ラグビーを通して夢と希望、感動を与える―。とにかく、このままでは終われません。『東条組』は、最後まであがき続けます!

 敗戦からちょうど一週間が経った1月20日、中竹監督にお話を伺いました。



―決勝からちょうど一週間が経ちました。この間、どんな時間を過ごされましたか


 もう終わった日から日本選手権のことを考えていたかな。難しいのが、4年生が『荒ぶる』を取ることができなかった瞬間、前を向けるかということなんだけど、自分の10年前のことを考えると、なかなか前を向くことはできない。俺のときは準優勝だと日本選手権はなくて、そこで終りではあったけど。今とは環境が違うとは言え、前を向くことはできない。けど、そういう雰囲気の中で、俺が最初に前を向かないといけないと思って、その日の夜から最初のミーティングでどうしようかということを考えていた。日本選手権に向けてどうもっていくか。そのなかで酷だと思ったのが、じゃあがんばりましょう!と言うだけではダメだということ。現実を見なくてはいけない。ということは、決勝戦に関してもこれまでと同じようにビデオミーティングをしなくてはいけない。4年生はたぶん誰も見てなかったと思うんだよね。最後の試合なんて見たくない。でも、そこを敢えて見せる。俺が先に編集して、1番見たくないシーン、トライを取られたシーンも入れて、まだまだ成長しなくてはいけないところがあるし、なぜこれまでできていたことがやれなかったのか、事実として負けを受け入れるように。それほど特別なものではなかったけど、いくつか要点を絞って、水曜にミーティングをした

―そこで学生にはどんな話を

 決勝戦が今年のこれまでの総括だから、それを考えたときに…、まずラインアウトが崩壊した。なぜこれが敗因になるかと言ったら、今年はセットアタックラグビーを掲げて、柱にしてきたから。そのうちのラインアウトが、マイボールのクリーンキャッチが2割弱。今年はセットアタックラグビーでゲームを作ってきたのに、それができなかった。そしてブレイクダウンに関しては、関東が1番強いところなんだけど、そこさえしっかりできていれば、どんなにグダグダになったとしても、そこからアタックであればもう一回立て直せるし、テンポも作れる。けど、ワセダの攻めの柱であるセットアタックがダメだったときに、起点にならないといけなかったブレイクダウンでも負けてしまっていた

―学生の目、いかがでしたか

 正直、全体的な雰囲気としては、魂抜けてたかなってのはあった。けど、それは想定どおり。もちろんそれは全員じゃなくて、もう既に前を向こうとがんばっている奴もいた。全体の雰囲気としては、みんなどうスタートを切るのか…という感じだった。勝負の世界で、もしラインアウトが取れていれば…とか、風が…とかあるかもしれないけど、逆に大事なところでそれができなかった事実をきちっと見ることが、日本選手権に向けてもそうだし、ワセダラグビー部にとっても大事になると思ったから、そこはしっかりと話をした

―ラインアウトがあそこまで取れなかったのは想定外というか、学生は混乱してしまったように思います

 混乱してしまったね。細かいところはあれだけど、ビデオを編集していて、よく見ると、すべてを完全に対応されていたというわけではなくて、自分たちのミスで崩れているところがほとんどだった。例えば、リフターがきちっと上げ切れていなかったり。試合中は、うちのサインが完璧に見破られていて、対応されて、うちが完璧にリフトしているのに、取られている感じもあったけど、よく見るとそういうわけではなかった。それは学生たちもしっかり認識していると思う。コミュニケーションミス、スローミス、入り乱れて、体験したことのない状態になってしまった。チームトーク、ユニットトークといってずっとやってきたけど、決勝でそれができなかったのは、それが本当のチームの力だったんだと思う。そこを修正してあげられなかったのは、本当に責任を感じる

―その経験したことのない混乱は決勝という舞台だから、でしょうか

 決勝と言うより、関東。相手の意識。相手はラインアウトさえ崩せば、ワセダは崩せるってプランを立ててきて、ワセダはそれにやられてしまった

―セットから様々なアタックを用意し、練習での精度もかなりのものでしたが、まったく出すことができませんでした

 ミーティングでも言ったんだけど、チーム力の幅、いいときのパフォーマンスと悪いときのパフォーマンスの差を縮めようと今年はやってきて、かなりダメな部分のパフォーマンスが減ってきてはいたんだけど、決勝戦で、真のライバル相手に、1番悪いデキをしてしまった。それは、チームとしてまだまだグラツキがあったということだと思う

―ブレイクダウンはどこがどう負けていたのでしょうか。やられてしまった一番の要因は

 ブレイクダウンを力だけで圧倒するというのを、今年はあまり強調してこなかった。それよりもブレイクダウンの作り方。セットアタックから1次、2次でいいテンポで出すと、ちょっとでもゲイン超えていい球を出すと、そこで本当のガチンコ勝負のシチュエーションにはならない。なんだけれども、劣勢になって球を出していた。イーブンボールで何とか球を確保して、出したボールというのは、うちは全然アタックの準備ができていない。そうしたなかディフェンスが揃っているところに突っ込んでいくと、ブレイクダウンでどうしても力勝負になってしまう。今年掲げてきた『スウィフトラグビー』というのは、ガチンコではなくて、もっとブレイクダウンの作り方、入り方というところに拘ってきたんだけど、最初のところ、セットのところ、1次、ボールキャリアの寝方、全部が後手後手になっていて、ブレイクダウンの作り方から力勝負なってしまった。そうなってしまうと関東の思う壺というか、1番得意とするところ。関東の立ってプレーする意識は大学ではトップレベル。ブレイクダウンで立って、強くプレーする、そういうところでちょっと劣勢になってしまった

―ここ数年はブレイクダウンを制圧、圧倒することで関東から勝利得てきました。やはり改めて、関東戦=接点を思い知った試合だったのではないでしょうか

 接点、あとはFWだね

―それでも、あの状況でも7点差でした

 本当に学生はよくやってくれたと思う。最悪の展開で7点差。それは底力があったということなんだろうけど、持っている力と出せる力のギャップ…。そここそ本当のチーム力の安定、それを改めて痛感した試合だった。持てる力を出せていれば、まったく違う展開になったと本人たちも試合をやりながら感じていて。でも、こんなはずじゃないと思っていても、それをできなかったのは、うちの力がまだ足りなかったということ。決勝の前に話をした京都産業大学などは、常に持っている力を100%出せる。そこは脅威だし、関東もその点では上手だった。決勝で持っている力、それ以上のものを出せる

―ディフェンスも崩壊でした。1発で仕留めてすぐさまアタックに転じるディフェンディングラグビーを掲げ、前に出ることを意識しながら、常にズルズルと下がってしまい…

 言うようにディフェンスは相当ダメだった…。ディフェンディングラグビーでアップすることをやってきたけど、それはまずセットができないとできないことで、ブレイクダウンで劣勢になるとまず立てない。立てないとアップもできない。それで余られてしまうから最後に安易に詰めてしまう。ディフェンスは本当に悪かった…。本当に相手にかけたプレッシャーはほとんどなかった気がするし、本当の強い相手に圧力をかけられないのは、現状の力だった…

―まだ日本選手権が残されています。まず、スケジュール的には

 今週いっぱいポジ練をして、来週からシニアは普通に練習。それ以外はポジ練とウェート、だね

※ 来年へ向けた『S組』も編成されてます

―ポジ練から徐々に練習を再開するにあたり、学生たちにはどんな話を

 まず、メンタルタフネスの話をした。メンタルもフィジカルトレーニングも一緒で、負荷をかけて、栄養取って、休息を取ると超回復する。それはメンタルも同じだよって。今回負けたことでメンタル的には相当な負荷を喰らった。じゃあメンタルの栄養は何か。それは個人個人では色々とあると思うんだけど、部のことで言うと、まだ残された時間をこの仲間で戦えるという喜びだったり。それはみんなにとってはかけがえのない時間。貴重な時間。同時に4年生だったら何があるかというと、これまで毎年毎年いた偉大な4年生の姿を思い出す。それが栄養。そして同時に休息。それをこの一週間でやってくれって。そうしたらメンタル的に絶対強くなる。今この逆境こそ、チームの真価が問われている。来週からはチームとしていい練習して、日本選手権に臨みたい

―また生まれ変わった新しいワセダの一歩、でしょうか…

 まぁ、そうだね。けど、あまり一区切りにはしたくない。ここからまったく別のチームになるというのではなくて、今年のチームはまだ終わってない。だから、誰もが普通に考えるとモチベーションが落ちてしまう日本選手権を、上げて戦わないといけないし、今年のチームはそれができると思ってる。辛いとは思うけど、チームを継続して、成長したいなと

―中竹さんの心持ち、学生との接し方に変化があったりするのでしょうか

 心持ちはそんなに変わらないけれど、ここからこそシンプルに物を伝えていきたい。多くのことはやれないから、一個の確実なものだけを伝えていきたいなと

―日本選手権、どんな戦いを。何かを残さなければならない、学生たちもみんな思っています

 ここまで一戦一戦やってきて強くなってきたチームだから、敗戦からもう一回成長したい。ガッと落ちてしまったけど、超回復したいね。そういう意味ではまったく変わらない。やるラグビーは変わらないし、真価したところを見せたいと思ってる

―決勝後に手術することが決まっていた選手も含め、FW、特にフランカーにはケガ人が相次いでいます。ここはうまくやりくりしながら、何かを考えながらという感じになるのでしょうか

 そうね。そこはもう、やりくりしながらだね

―今年もまたトップリーグに挑戦したいです

 そのためにもまず1回戦、本気を出さないといけない。本気でぶつかっていかないと勝てない相手だから

―決勝戦直後も、今日も、このチームが問われてるとおっしゃいました。改めてどう問われているのか、最後にお願いします

 何でもそうだけど、逆境に立たされたときこそ底力というものを見せ付けられる。そういう意味では、このチームは今逆境に立ってるわけで、あっこのチームはやっぱり負けたんだねで終わってしまうのか、決勝には負けてしまったけど、本当強いチームだったねってなるのか。本当に強いチームだったと感じられる、見ている人にもそれが伝わる、そんな試合をしたいと思ってる

<早大ラグビー蹴球部寮内監督部屋にて 練習再開を前に>