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2024

対全慶大 歴戦のOBたちが現役に教えてくれたこと…


 意地見せた!プライド守った!オールではあるけれど…、慶應に土つけた!人望熱き・今駒監督、そして誇り高き・赤黒の下に集結した歴戦のOBたちが、連覇を目指す現役たちに、小さくはない勝利と、大きな教訓を与えてくれた。『豊田組』、まだまだやることたくさんあるぜ―
 26-0。猛烈な勢いを見せた前半は、もうただただ「ワセダのOBってすごい」の一言。ミスターオールワセダ・辻高志がハリーでガンガンチームを前に押し出せば、SO沼田一樹(前半途中で足を負傷したのは痛かった…)はその美しきパスで変幻自在。大外に待ち受ける「夢のバックスリー」も、その圧倒的な力をこれでもかと見せつけ、トライの山を築いていった。「いやぁ、CTB村田くん、いい選手ですね(前半12分の50m激走はOBたちも大絶賛!)。前半で足が攣ってしまって申し訳なかったですけど…、初めての経験でした。今日はワセダのラグビーに足を攣らされた(笑)。こんなラグビーをするのは卒業以来初めてというか、やっぱりワセダのラグビーは最高に楽しいですね」(WTB首藤甲子郎)。やってて楽しい!見ててもボールがよく動く!ファーストハーフの40分、赤黒は間違いなく輝きを放っていた。
 しかし…、メンバーを続々入れ替え、現役主体となった後半は、それまでがウソかのような展開で、僅か10分の間にまさかの4連続トライ(26-26)。こんなに一方的にやられるワセダ、ここ何年も見たことない。一体全体どうしちゃったの? 15分過ぎから何とか持ち直し、最終的には7点差で逃げ切ったものの、どうしてもこの空白の10分は気になった。「入りが大事だとは言ってたんですけど、大きくリードしていたこともありますし、抜けていたというか、僕自身も何かボーっとしてました…」(FB五郎丸歩)。まぁ、こういう試合ではよくある話か。大味になるのはある程度は仕方がないし、これでメンタルは説明がつく。
 では、プレーの面では…。この日が引退試合、サントリーサンゴリアスFWコーチ・高野貴司の教え。「後半最初の10分、あの流れになったとき、あそこは現役ばかりのチームだったけど、1本取られるのはしょうがないとして、その次どうするのか。修正点は何なのか。その立て直し方を知る必要があるなって。経験も必要なんだけど…、それは強く感じたね。あとは、いいタックルをしました。けど、そこで終ってしまってるというか、その先がない。何のためのディフェンスなんですか?というところ。いいタックルをして終るんじゃなくて、その先、次にジャッカルに行く。ボールを取るのがファーストターゲットですよって。学生にはその意識をもっと持って欲しいかな」。この言葉、実に深い。振り返れば、前半はこのNo8高野コーチとフランカー古島直(久々だけどやっぱりすごかった!)が接点で絡みまくり、ことごとくボールを取ってきた。ポジションが決まりかけたラックでもプレッシャーを掛けて、相手のリズムを乱していた。一方この後半は、クリーンボールを出され続け、いいようにアタックされ…。実に淡白。パンチが足りない。仕事が少ない。サントリー・高野コーチが引退試合で、いいお手本を見せてくれた。あのトヨタに勝った年も、手に接着剤がついてるんじゃないかという男がいた。春からタックル後のチャレンジも意識してきたけど…、まだまだお子様。求む、リズムを乱すボールハンター!
 と、現役にとっては大きな課題が見つかりながら、一方で「ワセダ」として「ケイオー」に勝てたことは実に実に意味のあること。現役メンバー、もっともっとがんばろう。慶應に生きの良さでは後手を踏んでた。OBたちのあのレベルに追いつこう。「僕がAに上がるきっかけを掴めたのは、先輩たちと一緒にやれたこの大会。後輩からもそういう選手が出てきて欲しいですし、これからもオールワセダは大切にし続けたいと思ってます」(WTB菅野朋幸)。実に難しい時期の開催だったけど…、やっぱりオールには意味がある―

<最強オールワセダを!ヒヤヒヤ勝利に安堵の表情を浮かべる今駒監督>
「とりあえず勝つことができてホッとしたかな。こういう試合でも勝ち負けには拘らないとダメだし、内容うんぬんより、今日は勝つことができて嬉しい。展開的には…、後半の10分なぜああなるのか。なぜあの流れを止められないのか。現役には学んで欲しいし、これからよく考えて欲しいなと。参加してくれたOBには本当に感謝の気持ちを伝えたい。赤黒の下に万難を排して駆けつけてくれた。感謝の気持ち、もうそれだけだね。今日もいいプレーを見せてくれた。このオール戦は、開催時期も含めて色々と考えるときがきてるのかなと。時期もそうだけど、果たして早慶明の3校だけでいいのかとか、もっとおもしろい形があってもいいのかなって。もちろん『最強ワセダ』を作りたいという想いはずっと持ち続けているし、これからもそれを目指してやっていきます。今もひとつの価値はあると思うし、卒業生も現役も色々な条件があるけど、それを乗り越えて。現役のアドバイザーという立場から言えば、高野も言っていたけれど、接点でボールに絡める人間が少ないなと。今日も仕事する人がいなくなって流れが悪くなった。もっともっとそこでアグレッシブにチャレンジするようになってもらいたいし、ああなったところで修正できる力をつけて欲しい」

<そのワセダ愛は永遠に!思い続けた終着点に感謝感謝の小森允紘>
「今日はとにかく五郎丸さんに怒られないように(笑)。みんなに迷惑を掛けないようにと思ってました。ホント嬉しかったです。こうして呼んで頂いたことに感謝感謝、もうそれだけです。今日は辻も駆けつけてくれたし、大内も出てくれたし、弘樹、高野も引退。最後に赤黒で引退できるというのは本当に幸せなことだなって。もう2度とこのジャージーは着られないと思っていたから。これは本当に幸せだった。やっぱりこのジャージーは全然違うし、今日改めて自分はワセダが、ラグビーが好きなんだなって思いました。ワセダラグビーは一言では表せないけど…、もう自分は小さい頃からワセダに憧れてラグビーを続けてきて、ワセダが終着点だった。とにかく小さい頃からワセダでと思っていて、最後はここだと。自分にとっては、ワセダが終着点。今日こうしてワセダで終えることができて本当によかった。現役の学生たちに対しては…、この環境が羨ましいね。だから一日一日を大切に、ノビノビやっていって欲しい。自分は大したことは言えないけど、いい環境でいいコーチングを受けられることの幸せを感じて、そのことに感謝して、日々過ごしていってもらいたい。現役のみなさんのことは、心から応援しています」

<現役へ最高のアドバイス!初赤黒No8に感無量?の高野貴司>
「今日は引退試合と言っても、シーズンは3月に終って、それからコーチをしながら動くくらいだったからね。正直、思っていたとおり体は動きませんでした(笑)。でも『北風』を歌ったとき、うわぁワセダだって思ったし、あれはすごかったなぁ(笑)。動けなかったけど、接点では貢献できたのかなと思います。まぁ、でも今日はそんなことよりワセダのジャージーで最後終れた、しかも8番を着られたということに尽きる。学生のときは12、13だけだったから。赤黒の8番を着るというのは変な気持ち。清宮さんにも言われたんだよね。お前がNo8?赤黒の8番?って(笑)。これまでみんなの支えがあってラグビーをやってこれた。引退するに当たっての思いは、もうそれが一番。現役に対しては…、CTBの子たちはアピールしようという気持ちがすごく感じられてよかったかな。ただ、後半最初の10分、あの流れになったとき、あそこは現役ばかりのチームだったけど、1本取られるのはしょうがないとして、その次どうするのか。修正点は何なのか。その立て直し方を知る必要があるなって。それには経験も必要なんだけど…、それは強く感じたね。あとは、いいタックルをしました。けど、そこで終ってしまってるというか、その先がない。何のためのディフェンスなんですか?というところ。いいタックルをして終るんじゃなくて、その先、次にジャッカルに行く。ボールを取るのがファーストターゲットですよって。学生にはその意識をもっと持って欲しい。それくらいです(笑)。自分にとってワセダラグビーは…、何だろうなぁ…、分からないなぁ…、でも今日こうして違う年代、違う場所でラグビーをしている人間たちが集っても、『北風』を歌うと、その瞬間ひとつになる。これはワセダだなぁって。うまく言葉で言えないんだけど(笑)」


<世界のトヨタを背負って立つ? 『社長』就任を宣言する山﨑弘樹>
「今日は自分のラグビー人生に関わってくれた人すべてに感謝、そして教わったことをすべて出そうと思ってました。先輩、後輩、同期、指導者、すべての人に感謝の気持ちでいっぱい。試合前は最後の5分~なんて言ってたけど、まぁホントはいつでもいけたから(笑)。あのキックのバウンドが戻ってきて、胸に収まったとき(裏に抜け出しキック→それが胸にすっぽり収まり勝ち越しトライ!)は、やっぱりラグビーの神様はいるんだなって(笑)。今日は一緒にやってきた同期の高野と引退試合をすることができて、感じるものがあったし、江原がいないのは残念だったけど、あとはセコムの艶島にがんばって欲しい。最後を赤黒で迎えられることも、引退セレモニーを用意してもらえるのも、普通はなかなかできないこと。世界のゴールデンブーツ・あの廣瀬さんでもできないことだから。そう考えると、すごく幸せ。こういう場を与えてくれた今駒さん、ワセダのみんな、慶應のみなさんには本当に感謝しています。もう今日でスッキリ、ラグビー人生に悔いなし! 次に狙うのは…、もちろんトヨタの社長(既に社内でも宣言してるとか…)。今年の株主総会では残念ながら任命されなかったから、次こそは任命されるように、日々がんばっていこうと思います(笑)。もし実現したらスポンサーになって、ワセダの車はすべてレクサスになるように(笑)。現役のみんなに伝えたいことは…、髪の毛は大事にというのと(笑)、個性を大事にしてプレーして欲しいです。今日は本当に感謝の気持ちでいっぱいです」

<やっぱりいいなぁ、このバックスリー!試合後、再結成を約束!>


出場メンバー
岩下(→40分内田)、大内(→40分安福)、山下(→60分岩下)、岩井(→64分古島)、桑江、古島(→49分中村)、清水、高野(→40分奥野)
辻(→40分西田)、沼田(→78分山﨑)、首藤(→37分山﨑→60分首藤)、内山(→30分小森→55分内山)、村田、菅野、五郎丸