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2024
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第10回『副務部屋』小塩康祐・上田一貴 今だからこそ語れること

 お待たせしました!!少し回は戻りますが、『副務部屋』第10回目です!!今回はBチームを支え続けてくれた小塩さんと上田さんに語ってもらいました!!

大川:今年一年どうでした?

上田:早かったし疲れた~、楽しかったけど(笑)

小塩:早いね…、お前来年めちゃ早いぞ!!

大川:そうすね~

上田:でも、どうでもええ瞬間とかないから!!その分めちゃおもろいで!!今はラグビーを辞める自分の気持ちが凄い不思議やわ~…

大川:小塩さんはどうやったんすか?

小塩:去年の予餞会から一年て考えるとめちゃくちゃ早いね~

大川:小塩さんと言えば、Bチームを支えてきたと言われていますが、ジュニア選手権の決勝には出ていないんですよね?

小塩:あの週はやばかった。まさか自分がチームを落とされているとは思っていなくて…月曜に慶應のビデオ見てジュニア決勝用のビデオを作って、終わった!!帰ろう!!って思ったら、自分はBから落ちてた。あの時はめっちゃ悔しくて、そしたら安福が夜中の三時くらいにタクシーで馬場まで来てくれて…、安福も夏怪我したじゃん!?それであいつもジュニア決勝を目指してて、「一緒に出られないのはありえない」ってずっと言ってくれてたんだよね…。で、中竹さんのところまで安福が話をしに行ってくれて…。みんなには知られていないと思うけど、そういうことがあったんだよ。結局メンバーは変わるはずもなく、火曜の練習行くのが本当にいやだった。けど、一貴(上田)とか奥野が励ましてくれて、行くしかないなーってなった

大川:それは全く知らなかったっす…

小塩:練習の直前に一貴と孝成さん(佐々木組)と電話して行く気になったんだよね

大川:そんな時、上田さんはどうやったんすか?

上田:何を言っていいか分からんかったな~。電話はかかってきたけど、偽善は嫌やったし、言葉はまとまってなかったし。でもとりあえず思いだけは伝えてん。それでも俺は来ないと思ってたけどな。そしたら来てた(笑)

小塩:俺その週、Bの誰とも話してないしね(笑)。でも俺がCDチームの練習開始の時の鉄笛を吹いて、そしたら、あいつらマジ元気いっぱいでさ(笑)。元気づけてくれて…あの時はやばかったね~あの人たちは凄いっすよ…下でやってる人たちは(笑)。まぁ、そうこうしてるうちに、ジュニア決勝の前日になって、そしたら、一貴が寄せ書きの時「小塩」って書いてくれて…俺その瞬間会議室にみんないたのに一人で泣いちゃったからね(笑)

上田:中竹さんに小塩のためとか言ってちゃだめだよって言われてんけど、やっぱ俺のモチベーションは小塩やったからさ、ここで小塩って書かんかったら後悔すると思って、だから何言われてもいいって思って「小塩」って書いてん

小塩:あの寄せ書きはマジでやばかった。それで、ジュニア決勝のアップの時も見に行こうか迷った。ってか見てられるか凄い不安だったんだよね。でもなんとか心の整理つけて、見に行って、そしたらBのFWのみんなが俺のとこに集まってくれて円陣組んでくれてさ、その時に一貴が一言、「見とけよ」って。そしたら試合始まってすぐ一貴ぶっ刺さっちゃうしさ、内田は二分間しか出ていないのに二個もペナルティして(笑)。よっさん(前田)も普段走らないくせして超走ってて、智文はずっと「入った!!入った!!」言ってるしさ(笑)。まぁそういうことがあったんですよ、ジュニア決勝は!!次の日、俺は慶應のCとの試合に出なくちゃいけなくて、試合前に智文とか伊勢さん(東条組)からメールもらっちゃって、プレッシャーだったけど、Bのやつらが試合前に俺のこと囲んでくれたんだよね

上田:あの時の小塩は四年一やったからな(笑)。小島さんもあんな小塩見たことないって言ってたし

小塩:Cの後輩とか凄い気合が入っててさ…いや、ラグビーっていいね。試合前に泣くのラグビーぐらいでしょ

上田:『北風』歌って泣いて試合に臨んでいくのは俺らしかおらんやろ。就活で面接の時も俺『北風』歌ったもん(笑)

一同:ハハハッ(爆笑)

小塩:早いバージョンの『北風』はやばいね。お前(上田)はなんか悔しいことなかったのかよ?

上田:俺な、監督にあんま落ちた理由とか聞きにいかへんねん、なんでかって言ったらやっぱ上がった奴のほうが俺より凄いと思うから。ほんで俺明治戦の週に中村が上がってて、俺は途中で出て、トライ取って結果出したと思ったけど、やっぱ上がれなくて…。その後は慶應に負けたくないからって首脳陣に言われてジュニア慶應に出て、そっからはずっとBやったな…。小塩さんとかはかわいそうやなって言ってくれたけど(笑)、あの時は自分は納得できたわけじゃなかったけど、やるしかないって思ったな

大川:なるほど…、ちょっと話は変わっちゃいますけど、そうやって過ごして、ジュニア決勝も終わって、Aチームが準決勝辺りに差し掛かってきたときはどうやったんすか?

小塩:準決勝の週はやばかったんですよ。波乱がありましたね~(笑)。とりあえず週初めに四年で集まって…もうタッチの練習の時もガチでいこうってなった

上田:俺は週初めはぎっくり腰でおらんかってんけど(笑)、アタックアンドディフェンスでAに勝ってやろうって思うようになったなー。Aにないスペシャルサインとかを考えて、そしたらトライできるようになった。ほんで、Aがカッカしだして、中竹さんもカッカしだした…たぶん(笑)。でも結局は自分が上がりたいがためにやってたけどな

小塩:それでもめたんだよ(笑)、練習中。タッチなのに、内田はブローしまくり、安福は刺さっちゃうしさ~そしたらよっさんがピラー1に立ってるだけで退場になっちゃったんだよ(笑)。で、一旦中断して集まったけど、気にすんなって言ってた。そしたらその時ジャンボ(尾崎)が勝田さんに、急に、やんのかテメーって突っかかりだして(笑)、でもあの週のAは強かったよ。マジで。Bの四年が首脳陣ときまずくなっちゃったんだけど…でも豊田はBチームありがとうって言ってくれて、裕司さんも終わった後に、俺はうれしかったって言ってくれたし。

上田:安福が退場したときなんか、羽生さんが、お前ここで退場したら負けでしょ!?行けよ行けよって言ってたしな(笑)

小塩:あの時は嬉しかったね

大川:それで東海戦のAのアップの時は四年生は誰も見に行かなかったんすか?

上田:でもあれは、BチームはAのことを応援はしてるけど、まだ俺らはAを狙ってるぞってことを言いたかってん!!

大川:なるほど。で、決勝の週はどうやったんすか?

上田:やってやるか!!と。最後やし。やるしかないやろと

小塩:でも俺はやっぱ複雑な気持ちだった。自分が国立で立っていないのに『荒ぶる』を心のそこから歌うことができるのか心配だった。でも試合前練習の決意表明で後輩のメンバー達が四年のためにって言ってくれたのは嬉しかったよ。で、一貴となんか俺たちでAの奴らのために何かできないかって話になって、試合前のバック持ちしようってなって、サプライズで(笑)

上田:そうそうサプライズでな(笑)

小塩:一貴本当にサプライズ好きだな(笑)。そうなって、ポジションごとのやつを持とうってなったんだよ。それで、俺は豊田に四回タックルされてカチ上げられたけどな(笑)

上田:俺は中村にカチられた。打撲してたところ五倍ぐらいに腫れ上がったし(笑)

小塩:安福も前十字の手術前なのにタックル受けてたしな(笑)

上田:でも初めてその時から、心の底から勝って欲しいって思うようになってん

小塩:そうだな…

大川:試合が終わってみてどうでした?

小塩:国立のグラウンドに降りて中竹さんと抱き合った時、肯定されたんだって思った

上田:俺なんか顔スリスリしてたもん!!中竹さんと(笑)。俺コーチの人らから「お前が一番辛かったな」って言われてんけど、内心小塩もやけどなって思ってた(笑)

大川:『荒ぶる』を歌っているときはどうでした?

小塩:あんま覚えてねーな~…

上田:俺もなんも考えてなかったわ~、昔のこと思い出してたかも…ほんでその後馬場にある「力」っていう居酒屋に行って、何回『荒ぶる』歌ったかわからへんぐらい歌ったんは覚えてるで!!めっちゃ騒いだわ!!その後は上井草に移動して、後藤さんにボコボコにされたけどな(笑)

小塩:その時、そーいえば内田いなかったよね!?(笑)

上田:電話してたらしいけど誰と五時間も電話するんやろな(笑)

一同:ハハハッ(爆笑)

大川:で、日本選手権、どうでした?

上田:小塩は来んようになったな(笑)

小塩:いやいや試験やばかったからね

大川:そういえば、小塩さんロースクール生っすもんね

小塩:朝6時から夜12時まで学校で勉強して試験受けてたからね、会社法まじやばかったんだから!!でも、話は変わるけど、タマリバ戦で、智文がトライしてくれたの嬉しかったわ

上田:智文がBから上がってリザーブに入ってんよな~、あの時あいつ「俺20世紀少年だから!!(背番号が20)」って言ってたん覚えてるわ(笑)

小塩:20世紀少年トライしたな(笑)

上田:智文がトライしたときは感動したで!!

大川:で、サントリー戦ですよね

小塩:俺やっとサントリーの週ぐらいに勉強から解放されて練習にいけるようになったんだよね。で、木曜のガチの日に一貴に円陣でなんかある?って聞いたら「俺が後輩に伝えられることは小さい体でも豊田とガクトと隆平を倒せることや!!見とけ!!」って言ってそのあとすぐに刺さっちゃって、こいつやっぱすげーなってなった

上田:その後、小塩が抜けてんけど、どうなったかわからんぐらいのタックルを隆平にされてて殺されてたから(笑)

小塩:俺本当に何がおきたか分かってなかったからね(笑)

上田:みんな爆笑やったから(笑)

小塩:死んだかと思ったから(笑)

大川:決意表明の豊田さんの言葉、どうでしたか?

小塩:いや、ジーンときた

上田:みんな今まで過ごしてきた中で、何かしら、争ったりしてきたけど、俺たちはワセダだから。最後はみんなでワセダとして戦いたいみたいなことを言ってて。だから次の日全員でアップを見に行った。ほんで豊田が来たと思ったら号泣しだして…

小塩:その時下級生も含めてみんなで戦えるんじゃないかって。Aじゃなくてワセダとして戦いたかった。みんなやっぱ根本はワセダだからさ

大川:サントリー戦終わってどうでした?

上田:俺は秩父宮を最後まで見ようと思って、そしたら走馬灯のように四年間が頭の中に出てきてん。初めてセブンズで赤黒着たときから思い出して、もう終わりなんやって、泣いてしまった。係の人に出て行ってくださいって言われるまでおったもん。ファンの人に上田君、四年間お疲れ様って秩父宮の階段下りるときに言われて、その時また泣いてもたわ。人前で泣くん嫌やったのに…

小塩:最後は二人で、一貴お疲れ、小塩お疲れって…そうやって終わったな

大川:今の心境はどうですか?

上田:もうこんな激しい練習することもない、泣くこともないんやなって感じやな

小塩:うん、一生分泣いたな。そういえばさー、俺ラインアウトノートあるんだけどさ、三年間決勝の週Bだったってのもあって、Aの相手するためにいろいろと他チームのラインアウトの全てを書き込んだやつがあるんだけど、すごいよあれ(笑)。分析完璧(笑)

上田:分析だけ完璧(笑)

小塩:ヤフオクで売れないかな、あれ(笑)

一同:ハハハッ(笑)

大川:上田さんはどんな感じですか?

上田:俺は後輩たちになんか伝わっていたらすごく嬉しい。後輩の心の中に残ってたらほんま嬉しいな

大川:これからお二人はどうするんですか?

上田:俺はたこ焼き屋さんなって日本一周するわ!!ほんで東京ウォーカーに載る!!小塩さんは?

小塩:来年から普通にがり勉して弁護士になって、弁護士として今までにお世話になったラグビーに恩返ししたい。そういう仕事がしたいです

大川:小塩さん、なんか困ったことがあったらお願いしますね(笑)

小塩:おう!!丹下の離婚裁判は俺に任せて!!(笑)

『豊田組』シーズンを終えて…