『有田組』もうひとつの第一歩。その道はフランスへ通ず! 悔しい悔しい全早慶から一夜明けたこの日は、春の風物詩・YC&ACセブンズに参戦。冬に逆戻りしたような寒さのなか、赤黒戦士がその熱の一端を見せつけた。そこには、ワセダの進むべき方向性がクッキリ―
9:30 初戦は大会オープニングマッチとして成蹊大と対戦。まずは、ゆっくり体を起こしつつ…、なんてことはなく、開始からガンガン仕掛け、思惑通りの展開に持ち込んだ。
開始僅か35秒、近藤統靖の巧みなランから土屋鷹一郎と繋いでトライを挙げると、4分坂井克行のステップ一閃、6分ディフェンスターンオーバーで着々と加点。後半開始早々にセービングミスからトライを許したものの、村田大志、飯田貴也らが前半同様1:1をしっかり制し、チャンピオンシップに駒を進めた。
迎えた2回戦の相手は、今大会最大のターゲット・リコー。「絶対に勝つ!」「この一カ月の正しさを証明する!」。いやが上にもテンションは高まった。
13:24 ワセダ先蹴でスタートした緊張の「大一番」は、事前のコンセンサスどおりザ・ガマン。視角から飛んでくる外国人選手(あのキニキニラウとロッキー・ハビリ!)、ブレイクダウン周りのペナルティに苦しめられ、ジリジリ後ろに下げられた。前半終了間際、ようやく思い切りのいい仕掛けから相手を崩したものの、最後の最後でターンオーバーを許し、70mリターン。「リードはされながらいい形ではあったので…」と主将・有田隆平が悔やんだように、ギリギリ均衡を保っていたなかでのトライはこの上なく痛かった。
それでも、我慢をテーマに最後まで体を張り続けることを誓うワセダは、ここから猛追。仕掛けの意識はこれっぽっちも衰えず、自らの手で一気に流れを引き戻した。4分、グッドディフェンスでターンオーバーを勝ち取ると、坂井克行がワンステップで横山ツインズを抜き去り、原田季郎。その後もブレイクダウンを制し続け、強引にトライ。…しかし、このとき敗北を告げる鐘の音が響き渡り、あと一歩及ばなかった。
勝ちに拘る男たちは、試合後悔しさを露わにした。ワセダは負けてはいけないと改めて痛感した。たしかに、結果には大きな後悔が残るも…、大局で見れば、今やるべきことはしっかりと遂行し、変化も実感。「よく我慢してくれた。そのためのガッツがはっきりと見て取れた。我慢を覚えてくれたことが大きな収穫」(辻監督)。「次、爆発してきます」(有田隆平)。一筋の光が見えた。『有田組』、この続きはフランスで―
1回戦・対成蹊大 40-7<前半:21-0、後半19-7>
出場メンバー:近藤←8分河原崎、有田、土屋、榎本←7分西田、井口←7分村田、坂井、飯田
得点経過
前半35秒:早大:近藤が抜け出し土屋トライ コンバージョン飯田成功 7-0
4分:早大:ゴール前スクラムから榎本→井口→坂井トライ コンバージョン飯田成功14-0
6分:早大:ディフェンスからのこぼれ球を坂井が押さえトライ コンバージョン飯田成功21-0
後半30秒:成蹊大:キック処理のミスを拾われトライ コンバージョン成功21-7
3分:早大:村田のタックルからターンオーバー→坂井トライ コンバージョン飯田成功28-7
4分:早大:ラインアウトから村田がひとりで相手を交わしトライ コンバージョン飯田失敗33-7
6分:早大:スクラムのターンオーバーから飯田が相手を交わしトライ コンバージョン飯田成功40-7
チャンピオンシップ・対リコー 14-19<前半:0-19、後半14-0>
出場メンバー:近藤、有田、土屋、榎本←7分西田、井口←7分村田、坂井、飯田←10分原田
得点経過
前半3分:リコー:スクラムから大外に繋がれトライ コンバージョン失敗0-5
5分:リコー:22m内のペナルティから速攻を許しトライ コンバージョン成功0-12
7分:リコー:ターンオーバーから逆襲を許しトライ コンバージョン成功0-19
後半4分:早大:ターンオーバーからの切り返しで坂井がブレイク→原田トライ コンバージョン飯田成功:7-19
7分:早大:スクラムから継続し、村田がトライ コンバージョン村田成功:14-19