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2024
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対立教大 改めて思う


 一年の計は開幕戦にあり!進んで行く道見えた! 9月12日、対抗戦がついに開幕。常に全力、目の前の勝負にすべてを懸けることを誓う『有田組』は、ひたむきに、泥臭く、その第一歩を踏み出した。相手のハート、ほとばしる熱を存分に受けながら…。「最初のやろうと言っていたところで、やられてしまった。今日は目標、テーマは成し遂げられなかったということです。立教さん、強かったです」(主将・有田隆平)―
 「一番大事な試合」(副将・山中亮平)と位置づけ臨んだ試合は、チームの象徴・有田隆平が激熱タックルを喰らう不穏なスタート。この後も、「まぁ毎年のよくある形」では済まされず、見事なまでに気持ちの入った相手ディフェンスに苦しめられた。次々飛んでくる一の矢、二の矢、三の矢。しかも数だけでなく、パンチも効きまくり。11分、PGで先制を許すと、一筋縄ではいかないことを誰しもが覚悟した。流れる空気もどこかネガティブ…。
 しかし、プライドを口にし、ワセダらしさを追い求め続けてきた男たちは、逃げることなく、意志を曲げることなく、反撃開始。相手ロングキッカーへの猛烈なプレッシャーでブローを放ちつつ、タテに強いプレーを交えることで、道を拓いた。16分、お得意の速攻から前に出て、最後はWTB中靍隆彰。26分、CTB村田大志が裏に抜け再び中靍。そこからは、モールあり、オフロードあり、有田隆平の突進ありの怒涛のラッシュ。「途中から流れがきて、いい形のトライもあってよかった」(副将・山中亮平)と言うように、一気に停滞を打ち破った。
 そして、迎えた後半。より一層顔を出し、ワセダらしさを体現したのが、堂々の開幕スタメン、ルーキーの金正奎。前述のキックチャージ、要所でのジャッカルに加え、9分、15分と、チーム一丸裏に出たところに着実なフォローで2つのトライ。このプレーに代表されるように、ピッチに立つ全員が最後まで走り切り、緊張の開幕戦を勝利で飾った。これまた初陣となる指揮官の手応えは…。「ワセダらしいプレーが随所に出て、よくなってきているなと。選手たちも体を張るということを分かってきていると感じます」(辻監督)。
 それにしても、立教の80分切れないハートに、学生たちの心は揺さぶられた。そこには大きな気付きがあった。試合後のロッカールーム、シャワーを浴び終えた有田隆平の言葉には、実感がこもる。「改めて大変な道のりが待っていると痛感しました。とにかくひとつひとつです。今年は抜いた瞬間、やられます…」。それがラグビーの本質。『有田組』は、イバラの道を全員で登りきる―

<今を生きる! イバラの道へ改めて覚悟を決める主将・有田隆平>
「今日の試合、選手としてはファーストプレーに懸けようと話していたんですけど、立教さんのタックル、熱いディフェンスに対し受けてしまったのは反省です。結果としてトライは取りましたけど、課題が残りました。立教さんのおかげで、次からも気を抜けないと、感謝しています。課題の一番は…、やっていて流れがよくないところを何か1つのプレーで打開したい。そういうプレーを出したいなと。焦りはなかったですけど、雰囲気もよくはなかったので。この先、そういった局面をどう打開していくかが課題です。そうなってしまったのは、僕たちが合っていないこともありましたけど、立教さんがすごくよかったのが要因だと思います。<以上、記者会見> 自分たちの代の開幕戦ということで、とにかく入りのところだけを意識してました。それ以外は普段と変わらないつもりで。でも、最初のやろうと言っていたところで、やられてしまった。目標、テーマは成し遂げられなかったということです。試合を終えての一番率直な感想は、立教さんは強かった。これが今の自分たちの実力なのかなと。ただ、最後の20分でも走れていたのはよかったと思います。修正しなくてはならないのは、まず入りのところ。とにかくそこですね、悪い流れのときの雰囲気。序盤はネガティブな雰囲気だったので、いかにポジティブにプレーしていけるか。サポートは総じてよかったと思います。イーブンボールに負けていたのは大きな反省ですけど…。今日で改めて、今年は大変な道のりが待っていると痛感しました。とにかくひとつひとつです。今年は抜いた瞬間、やられます」

<入りの20分! この先の戦いへ課題を再認識する副将・山中亮平>
「公式戦の開幕ということで、今日は自分たちにとって一番大切な試合だという気持ちで臨みました。内容としては…、最初の20分ですね。そこは相手も懸けていて強かったですし、自分たちの形を出せませんでした。そこはどんな相手もきますし、入りからワセダのラグビーを体現できるようにならなくてはいけないです。ただ、途中からは流れを引き寄せられましたし、いい形でのトライもあって、その点はよかったと思います。汗でボールが滑ったとはいえ、キャッチミス、パスミスが多かったので、精度は相変わらずの課題です。あとはラインのセット。体力的なところもありますが、もっと早いセット、動き出しをもっともっと早くしていかないとダメだと思います。開幕戦の緊張のなか、いい形でのトライもありましたし、ディフェンスもできて、初戦としてはまぁよかったと思いますし、これからが勝負です。次の戦いに向けて、今日出た課題、そして夏から取り組んできたことを更に上げていきたいと思います」

<まず気持ち!先頭に立ち体を張り続けたCTB宮澤正利>
「自分の役割として、とにかく声を出してチームを盛り上げていこうと思い、今日の開幕戦に臨みました。内容的には、みんなも思っているでしょうけど、ミスが多くて決してよくない。でも、夏から継続して走ってきて、今年のワセダの形というものは見せられたと思います。あとは精度です。ボールタッチの多さは…、まぁ自分は消耗品なので(笑)。ドンドン使ってくださいと。立教さんのディフェンスがよかったですし、ボールも滑ったので。僕が一番山中に近い位置にいる訳ですし、もういくしかないと。BK全体のアタックについては、相手が出てくるのが分かっていたので、色々と試合中に修正したんですけど、ラインのコントロールだったり、まだまだ精度が低い。試合での適応能力が大事だと改めて感じました。取られたトライに関しては、完全にBKのノミネートミスなので、チーム全体というよりユニットでの問題。反省しています…。来週から坂井が帰ってきますし、次も自分が出られるという保証はまったくないので、とにかく日々全力でやること、それが少ない時間のなか自分にできることだと思っています」

<堂々のデビュー!ジャッカルにサポートに奮闘したフランカー金正奎>
「今日はすごく緊張もあったんですけど、自分のなかでは何か特別なことをするのではなく、とにかくらしいプレーをしようと思ってました。自分としては、タックルに行くと決めていたので、それができなかったのは悔いが残りますが、ブレイクダウン、ジャッカル、サポートという点では、うまくハマったという感じです。チーム全体としては、やっぱりタックルがまだ高くて、簡単に前に出られてしまっているので、そこが一番の修正点だと思います。アタックに関しては、ワセダらしい早い展開からのトライもあってよかったです。キックチャージについては…、そこだけは絶対に手を抜かんとこうって(笑)。80分切れずに全員で集中できたと思います。大学初めての公式戦としては、上々かもしれないですけど、ここで慢心していては終わりなので、続いていくこの先に向けてもっともっと切磋琢磨していかなくてはいけません。フランカーとして定着するためには、もっとタックルを低く、早く。80分走りきるフィットネスをつけて、レギュラーを勝ち取りたいと思っています。公式戦での赤黒はやっぱり全然違うものでした。春と同じ赤黒であっても、公式戦となると重み、伝統を強く感じますし、着たくても着れない人がたくさんいるので、その人たちのためにもがんばろうと思える力があります」

<笑顔の勝利! 80分間体を張り続けた学生を称える辻監督>
「前半は予想通りの展開でした。立教さんは間違いなくハートのあるプレーで、ワセダを喰いにくる。ワセダとしては、いかに我慢して自分たちのペースに持ち込むかということをやってきました。ワセダらしいプレーが随所に出ていましたし、選手たちは納得してないみたいですけど、よくなってきていると感じています。何より今日は立教さんの80分間切れないディフェンスです。非常によかったですし、素敵なチーム、見習うところがたくさんありました。選手たちも同じように感じたみたいです。ワセダらしさの一番は、キックチャージのプレッシャー。そこに表れていたと思います。チャージできるかは分からないなかで80分間やり続ける。選手たちは体を張るということが分かってきていると感じました。初陣は特別なことはなく、いつもどおり普通でした。朝から普通に生活して、普通に来る(笑)。どの試合もコンスタントにいくタイプなので。そこは選手のときと変わりません」


前半
11分 立大 右中間25メートルPG10成功  0-3

16分 早大 Pから速攻→9・10・11ラック→9・10・中鶴トライ G山中失敗 5-3

26分 早大 LOスチール→9・10・13裏に出て中鶴トライ G山中成功 12-3

33分 早大 22mLOからモール→9・10オフロードで宮澤トライ G山中失敗 17-3

37分 早大 LOスチール→順目継続→9・有田トライ G山中成功 24-3

41分 早大 Pから速攻→9・10・13ラック→9・10・有田トライ G山中成功 31-3

後半
3分 立大 5mLO→モールからラック→9・10・15トライ G失敗 31-8

9分 早大 崩れたところから14が裏に出て金トライ G山中成功 38-8

13分 早大 22mLOから継続→9内返しで伊藤トライ G山中成功 45-8

15分 早大 KOから10裏に出てP→速攻で9・15→金トライ G山中成功 52-8

28分 早大 5mS→20・11ラック→西田がサイド突きトライ G山中失敗 57-8

36分 早大 LOから継続→4が前に出てラック→20・有田トライG山中成功 64-8