ノーサイドの瞬間、選手から久しぶりに笑みがこぼれた。Dチームが敗戦、Bチームは引き分けという劣勢の状況で始まったC戦。ワセダは一進一退の攻防を抜けだし、後半に大量得点。B、Dと同様にミスはあったものの、この日唯一、そして約1カ月ぶりの白星をあげた。
主導権を奪い合う展開となった前半。1分、ペナルティからNO・8中野裕太が速攻、左に展開。FB黒澤健が走り切り先制するも、その後はトライを奪い奪われのシーソーゲームに。なかなか流れを引きよせる事ができない。それでも終了間際、ラインアウトからフランカー河原﨑務が突っ込み17-12と前半をなんとかリードで終える。
後半は足とボールが盛んに動き出す。開始早々、テンポよく振ったボールをSO吉井耕平がインゴールに持ち込むと、このトライを皮切りに試合は一気にワセダペースへ。3分、12分、と連続してゲームキャプテン・伊東健が。27分、コラプシングで得たチャンスにまたも吉井が。全員が自ら突破に向かう強気な姿勢を見せ、順調に点を重ねていった。終了間際にも中野がディフェンスを突き破り50メートルを駆け抜けトライ。途中で失点するも、後半は一度もリードを譲らず48-29で点取り合戦を制した。
勝利はしたものの、ペナルティの多さ、精度の甘さは見過ごせるものではない。これは全チーム共通、ワセダとして取り組まなければならない課題であるだろう。しかし「背中で責任ってものをみせれば結果は自ずとついてくる」と伊東は語る。見せた背中は、日吉で勝利として実った。
尾崎睦
<ゲームキャプテン・伊東健>
「Cチームとしては久しぶりの勝利となりましたが、1対1の部分を信じた結果だと思います。チームとして連敗が続いていて、変わらないといけないと、僕たちから変わっていかなきゃならいと思ってました。トライについては、味方がいいパスをつないでくれたので、僕はただ走るだけでした。ディフェンスに関しては取られ過ぎなので毎試合修正しなければいけませんね。そこは僕の仕事なんですが。他の修正点や課題としては、1対1をもっとこだわっていきたいですし、取りきるところをきちんと取って、守るべきところでしっかり守る、ペナルティをしない。ラグビーの原点、基本をしっかりしていきたいです。4年生はもうあがくだけなんで、背中で責任ってものをみせれば結果は自ずとついてくると思います」