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2024
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対慶大B(Jr選手権) 決めるべき覚悟


 ノーサイドの瞬間、慶應の聖地・日吉は異様な静けさに包まれた。その空気はお互いの落胆を表していた。残り30分、24点差を勝ち切れなかったケイオー。進むべき道を誤り、墓穴を掘り、地獄へ落ちかけ、蜘蛛の糸を何とか這い上がったワセダ。10月17日、『有田組』にとってのマストウィンゲーム。そこにはワセダの今、大きく深い問題がこれでもかと映し出されていた。「結局やればできると分かっているのにできない。練習でもそう。それがBの現状なのかなと…」(CTB田邊秀樹)。
 その「できなかった」前半は、とにかくドツボのひと言。ラインアウトモールでいきなりのオブストラクション→ 一転ピンチ → ディフェンスミスで失点。続くキックオフでペナルティ。マイボールラインアウトを失ったところから振られて振られて、近場でズドン。「それだけはなしね」だった中途半端なキックをことごとくカウンターで切り返され、その度にピンチの連続。他のチームとはちょっと違った(+ワセダの寄りの遅れ)ブレイクダウンにも苦しめられ、まったく地に足の着いた戦いができなかった。「いざ始まると、やりきれていないというか、キックで逃げてしまったり、強気にプレーできていなくて、もったいなかったなと。勝たなくてはいけない試合で硬くなりすぎたところがあったのかもしれません」(FB飯田貴也)…。開始から自分たちのスタイルを押し出していくはずが、その真逆の選択。28分、裏キックの処理をミスしてトライ。32分、ドロップアウトから半ば強引に仕掛けに行ったミスを拾われドロップゴール。何もしないまま、しようとしないまま?、気付けば大量リードを奪われた。
 用意してきたゲームプランを遂行する=やってきたことをやりきる、タックルに意志を持つ、死ぬ気で走る、何より強気に自分たちのプレーをすることを誓い合って迎えた後半。ここからというときに、再びキック処理のもたつき、さらに少し気の抜けたかのようなトライを許し、万事休したと思えた(少なくとも観客の空気は)ところで、ワセダはようやく覚悟を決めた。流れを変えるべく投入された西橋・森田の2年生HB団が、速く、精確に、強気でボールを動かすと、全員がこれに呼応。しつこすぎるほどの継続、攻めて攻めて攻めてペナルティをもらったところからの迷いなき速攻、一転してFWのゴリゴリ、またまた継続…。攻守に体を張り一本芯を通したCTB田邊秀樹、「らしさ」全開・前半の倍返しとも言えるカウンターでチームを前に出し続けたFB飯田貴也が圧倒的な存在感でゲームを支配し、瞬く間に同点に追いついた。この嵐のような20分は、まさに試合前からの想定どおり、やるべきこと、やりたかったこと。「やっぱり原点は強気でいくことです。シークエンスにしても、改善しなくてはいけないことはありますけど、まずひとりひとりが強気でいいアタックをすることだと思います」(FB飯田貴也)。
 それでもやっぱり…、自ら墓穴を掘った3得点、22失点の代償はあまりに大きく、勝ち点5のはずの試合は、引き分け+4トライボーナスの「3」止まり。「もっと覚悟が必要だった。前半が悔やまれる…」(ゲームキャプテン井村達朗)。なぜあの40分が生まれたのか、チームの進むべき方向とは裏腹にネガティブな面ばかりが出てしまうのか。ギリギリ何とか徳俵で踏みとどまったものの、克服しなくてならない大きな問題が残された。
 ジュニア選手権の敗退=赤黒、『荒ぶる』への挑戦権がそこで途絶えるということ。もう本当の崖っぷち。今こそワセダとして、人間力が問われる局面。「あくまでも、ワセダの代表でプレーするためにやっている。そういう意味では、今日で何とかチャンスが繋がった。みんなもっと上を目指さなくてはいけないです」(CTB田邊秀樹)。慶應が、明治が、東海が、関東が…複雑な連立方程式の解を解く作業は、労力と時間のムダ。ワセダに残された道は、覚悟を決め、帝京に勝つことただひとつ―


<本当の土俵際… 変わらぬ課題に苦心するゲームキャプテン井村達朗>
「絶対勝たなくてはいけない試合だったにも関わらず、入りが悪く、ポンポン取られて、試合としてはよくなかったです…。あの展開から勝ち点3を取れたのは悪くないのかもしれませんが。次こそは本当に勝たなくてはいけない試合。切り替えてやっていくしかないです。前半については、いつものようにペナルティが嵩んで、簡単に下げられて、敵陣でアタックすることができませんでした。どんな相手であろうと、ゴールを背負ったらああいう形になってしまいますから。やってはいけないことの連続で、これまでのダメなワセダそのままでした。浮足立っていて、ああなってしまったとかではないんですけど、もっと自陣からいく覚悟が必要だったと思います。楽なラグビーをしてしまいました。後半はもうキックは蹴らずに、不用意にボールを与えることはせず、ボールをキープし続けようって。ワセダは継続しないと取れないですから、とにかくそこだと。前半から覚悟があればと後悔しています。ブレイクダウンに関しては、前半は慶應の寄りの早さもありましたけど、もっと1:1で前に出て、プライドを持って勝ちにいかなくてはいけないです。ターンオーバーされていたところでは、ルールの解釈のところでコミュニケーションを取ったんですけど、正当なプレーということなので、そうさせない2人目の寄り、意識が必要だと思います。やってきたこと、準備してきたことを出せないのは大きな課題。次の帝京は夏にも負けてますし、昨年終わらされた相手なので、絶対に勝ちます。次こそはやるしかないです」


<あくまで赤黒のために 意識の向上を訴えるCTB田邊秀樹>
「どうしても勝たなくてはいけない試合で勝てず、情けない。やりきれない自分が情けないです…。前半に関しては、ペナルティだったり、ブレイクダウンだったり、これまでと同じ課題。修正しようと言っていたのに、更にその課題が出たので、明治戦の後半と同じような展開になってしまいました。弱気になっていたりというわけではないんですけど…、何て言うんでしょう、ああいった展開で流れを変えるプレーが必要だと思います。我慢しようというコールは出ていたなかで、しきれなかったのが今日の結果です。後半はもう開き直っていくしかないと。ここから!というところでアンラッキーなトライがあって乗り切れなかったところもありましたけど。結局やればできると分かっているのにできない。練習でもそう。それがBの現状なのかなと思います。ジュニア選手権でプレーするためにここにいるわけではないですし、僕もここでプレーしている場合ではないですし、みんながもっともっと上を目指さなくてはいけないです。出るところでがんばるのはもちろん大事ですけど、あくまでもワセダの代表でプレーするためにやっている。そういう意味では、今日で何とかチャンスが繋がったのはよかったんだと思います。個人としては、しっかりSOをコントロールしながら、周りを生かしつつ、おいしいところは頂くぜという形。スターはたくさんいるけど、アタックをコントロールしてるのは何だかんだで田邊やなと言われるようなプレーができたらと思っています」


<まず強気! らしさ全開でチームを救ったFB飯田貴也>
「試合前から気合いはみんな入っていたんですけど、いざ始まると、やりきれていないというか、キックで逃げてしまったり、強気にプレーできていなくて、もったいなかったと思っています。勝たなくてはいけない試合で硬くなりすぎたところがあったのかもしれません。後半に関しては、あそこまで離れたらもういくしかないですし、点差を気にせずとにかくいこうと。カウンターはたまたま前が空いていたので、思い切りいきました。チームとしては、シークエンスとか色々とありますけど、原点は強気でいくこと。改善しなくてはいけないことはありますけど、まずひとりひとりが強気でいいアタックをすることだと思います。BKのディフェンスに関しても、修正点、課題がありますけど、今日はフロント3がいいタックルをしてくれて助かりました。最近は春夏に比べて、自分らしさ、強気でいく心が欠けていたので、今日はとにかく他の誰にも頼らず、自分がやるんだと思ってました。崖っぷちですが、これからも強気でプレーして勝ちたいです」
 


前半
 3分 慶大 5mLO→モール→9・10・12・14トライ G成功 0-7

 8分 慶大 LO失ったところから継続→FWゴリでトライ G成功 0-14

15分 早大 正面20mPG田邊成功 3-14

28分 慶大 裏キックの処理をミスしてトライ G失敗 3-19

32分 慶大 DOから攻めにいってノックオン→9・10DG成功 3-22

後半
 1分 早大 22mPから速攻→9・10・12・岩澤トライ G田邊成功 10-22

 3分 慶大 KOでTO→裏キックの処理をミスしてトライ G失敗 10-27

12分 慶大 8単から継続→9・8に近場を抜かれトライ G成功 10-34

16分 早大 Sから左右に継続→20・12・岩澤トライ G田邊失敗 15-34

19分 早大 Pから速攻→13が裏に出て古賀トライ G田邊成功 22-34

23分 早大 5mLO→モール→土屋トライ G田邊成功 29-34

31分 早大 LOAT→18ゲイン→20・12・岩澤トライ G田邊失敗 34-34

39分 慶大 左中間22mPG失敗

43分 慶大 左中間30mPG失敗