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2024
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対慶應義塾 「課題は山積、早慶戦黒星 」

 負の連鎖がとまらない。春季オープン戦、早大は鹿児島の地で宿敵・慶大と対戦。試合開始直後にプロップ上田竜太郎(スポ3=東福岡)が先制のトライを挙げるも、ラインアウトのミスなどが響き10-14で試合を折り返す。その後もミスはなくならず試合終了間際にも失点し、15-34で昨季の関東大学対抗戦の敗戦に続き苦汁を舐めさせられた。

 早大は前半2分、SO吉井耕平(スポ3=奈良・御所工)がキックパスを左サイドのWTB阿部太一(法3=埼玉・早大本庄)に合わせチャンスを演出。最後は上田がねじ込み先制点を上げる。しかし4分後ターンオーバーから慶大FB新甫がキックで裏に転がすとそのまま自らキャッチし、トライ。ゴールも成功しあっさり慶大リードに変わる。「点を取ったあとすぐに簡単に取られた」とCTB中西康(教3=東京・国学院久我山)が語るように33分にもCTB坪郷勇輝(商2=東京・早実)が左サイドを大きくゲインし、最後はパスを受けたFB原田季郎(教3=福岡・筑紫)がトライを決め再度リードを奪う。しかしその直後、慶大にラックサイドを突かれトライされ逆転を許す。またラインアウトの成功率の低さも目立った。ゴールライン付近で早大ボールのラインアウトというチャンスがあったものの、2本連続でミス。なかなか得点に結びつかず、10-14で前半を終える。

 
 後半に入ってもなかなかやりたいことが思うようにかたちにならない。先週の筑波大戦からの課題とされていたスクラムでは力負け、そこからの慶大のパス回しに対応しきれずトライを献上。早大はフェーズを重ねなんとか前に出ようとするも、接点の弱さでことごとくターンオーバーされてしまう。唯一意地を見せたのは後半32分、SO小倉順平(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が抜け出しロングゲインで敵陣までボールを持ち込む。最後は原田がインゴール右サイドに飛び込んだ。しかし、試合終了直前の40分にも慶大が早大のディフェンスを引きずりながらもゴール前に迫り、ディフェンスのギャップをつきダメ押しの追加点をあげる。そしてノーサイドの笛が鳴り、15-34で完敗。選手たちは一様に肩を落とした。

 長いトンネルの出口がまだ見えてこない早大。ベストメンバーがそろわないという苦しいチーム状況のではあるが、「誰が出てもAチームなので、ワセダは負けてはいけない」(中西)。春季オープン戦ものこりわずか。限られたプレーの中で春季の成長をどのように示すか期待したい。

(記事 穂積麻衣、カメラ 森美咲紀、久保田啓介)

早大スポーツ記事は下記まで。
http://www.wasedasports.com/rugby/110613.php

◆コメント
辻高志監督(平12人卒=茨城・茗溪学園)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
先週、今週と負けたことで、今後どうやっていくかが見えたと感じました。課題はシンプルなので、そこを修正していこうと思います。
――その課題とは
ことしは(ボールを)継続したいというのが1番あるので、その練習をもっとしていきたいと思います。
――先週のテーマも『キープザボール』でしたね
そうですね。1週間ではまだ足りなかったです。でも今週やったことで、いい場面があったところもありました。
――ボールが継続しない原因は
どこにどう動けばいいのかということをまだ分かっていないことですね。
――非常に良い立ち上がりに見えましたが
そうですね。吉井が頑張ってくれたのですが、その後から慶大さんに支配されてしまいました。
――この点差を大きいと思いますか、小さいと思いますか
小さいと思います。もっと取られていてもおかしくなかったです。
――最近キックを使用する場面が多いように感じますが、戦略を変更したのですか
いえ、スタンドが判断してやっています。
――次はリコー戦ですか
ケガ人が多くて来週は無くしました。
――それでは東海大戦が春の最終戦になりますね
春をどういう形で終われるか、大切な試合になります。課題は継続と粘り強いディフェンスを80分間続けられるかどうか、そこを頑張っていきたいと思います。

フランカー山下昂大主将(スポ4=東福岡)
――先週に続いての敗戦になってしまいました
チームが弱いのは元々なのですが、弱いのにさらにミスが出てしまって。それでは勝てないなと思いました。
――最後にトライを奪われたときには茫然としているように見えました
こんなにもやらなければならないことが出来ないのかというショックな気持ちと、残念な気持ちでしたね。
――チームにはどのような話をしたいですか
きょうはまず一対一のタックルで負けていました。自分を含めてそこを修正して、もっとワセダらしく行こうと言いたいです。やっぱり自分はプレーでも言葉でも引っ張っていきたいです。
――きょうは多くの一年生が出場しました。印象はいかがですか
荻野は一対一で相手をかわすシーンもありましたし、タックルもいっていてのびのびとプレーしていました。そういう選手がもっと出てくればなと思います。
――そろそろUー20代表組も戻ってきます。どんなことを期待したいですか
今、自分たちに足りない部分を彼らは持っていると思います。代表に選ばれるだけのものを持っているので、とにかく彼ららしく思いっきりプレーしてほしいです。
――次の戦いに向けてどのような準備をしたいですか
ことしはFWで勝つと言っていて、まだ圧倒できていないので、この一週間はもっともっとそこを詰めていきたいです。