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2024
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【新入生紹介/第29回】百枝樹生(スポ1=東京・國學院久我山) by早稲田スポーツ新聞会

――ラグビーを始めたきっかけを教えてください
小学校まではずっと音楽をやっていました。中学に入学したら何かチームスポーツをやりたいなと考えていました。中学受験をして、國學院久我山中学校に入学したのですが、中学校には新歓(新入生歓迎会)がありました。サッカー部とラグビー部とバスケ部の新歓に行ったのですが、その中で一番ラグビーが楽しそうだったので、ラグビーを選びました。

――たまたまというか、ラグビーを始めたのは新歓で出会ったからという面もあるのですね
そうですね、別にラグビーをやりたくて中学や高校に入学したということではなく、行った先にあったという形です。

――ラグビー部に入部を決めた際にはご両親はどういった反応でしたか
ラグビーをやるんだ、と言われたのもありますが、父はラグビーをやっていたみたいで。それまでそういう話をしてきたわけではないのですが、ラグビーをやると報告をしたらびっくりしていました。

――そこから、早大に至った理由、早大を選んだ理由はどこにあったのでしょうか
本当は、高校3年でラグビーに区切りをつけようと思っていました。区切りは全国大会に出場して、結果を残して。それで終わりにしようと思っていました。しかし、先輩たちは毎年のように全国大会に出ていたのですが、自分たちの代は決勝で負けてしまい出られなかったんです。元々、大学進学後は勉強をしようと考えていたのですが、どうしても自分の中で(ラグビーへの)踏ん切りがつきませんでした。自分の思い描いていた、花園に出てラグビーで成績を残して競技を引退するというかたちができなくて、すごく悔いが残るかたちの終わり方になってしまったためです。そして自分は大学受験も失敗して、浪人してしまって。そんな時に、自分の同期で先に大学に行った人から大学ラグビーの話を耳にしました。その中で、すごく早稲田ラグビーの環境がいいと。先輩やコーチ、ラグビー部としての環境や大学としての環境がすごくいいと話を聞きました。これは早稲田でどうしてもラグビーをやりたいなと思って、早稲田への進学を決めました。

――國學院久我山時代の同級生の米澤(結人、スポ2)さんが2年生にいらっしゃいますが、そういった方々からお話を聞いていたのですね
そうですね。今、ラグビー部がどういう状況なのか。特にコロナ禍だったので、活動がかなり制限されているというのはわかっていましたが、その中でどういうふうに活動をしているのかを聞きました。また、早稲田はスポーツ推薦を取る数が多いわけではないので、その中でいかに頭を使ってというか、その差をどのように埋めるのかを考えながら練習していると聞いて、すごく魅力的だなと感じました。

――では次に、ご自身の中で特に印象深い試合を教えていただけますか
やはり負けてしまった高校最後の試合ですね。中学の頃から久我山でやっていて、東京都では久我山と本郷が中学の頃から自分たちの代は強かったんです。毎回決勝で戦っていました。中学3年の春の大会の決勝で一度負けてしまって、その時は確か1点差で、全国を逃してしまったんです。秋の大会では逆に勝って、自分たちが全国大会に出場しました。このように、本郷とずっと競い合ってきました。その本郷に、高校最後の決勝で対戦をして。久我山の中では監督が代わったり体制が替わったりと、いろいろな変化の時でもありました。言い訳をしても仕方がないのですが、やはり届くと思っていたところに届かず、負けた相手が本郷というのがすごく悔しかったです。自分は直前にけがをして、その試合が復帰戦ということもありました。その点でも特に印象深かったです。

――ご自身が思う、ラグビーの魅力はどこにあると感じていますか
グラウンドに立つ人数が15人と他競技に比べても多いので、その中でポジションや役割が細分化されていて、どんな人間でも活躍する場があります。色々な向き不向きがあると思うのですが、それを自分の努力次第で凌駕(りょうが)できます。それがラグビーの最大の魅力ではないかと思います。

――その中で現在フッカーやプロップを務めていますが、そのポジションに至った経緯を教えてください
ポジションは中学まではCTBとWTBをやっていたんです。そして、高校からはフランカーをやろうと思っていたんです。しかし、高校に上がった時、ポジション適性を測るという意味もあり一度全員スクラムを組んでみよう、となった際に、かなり良い感じでスクラムが組めたんです。その時に、もう少し真剣にスクラムを組んでみたいなと思って、高校はプロップに専念するというかたちにしました。大学ではサイズが足りないということもありフッカーとプロップどちらもできるようにしようかと考えています。

――中学に入る段階で体が大きかった、というわけではなかったのですね
入った時には50キロくらいしかなくて、かなり部の中でも細い人間でした。中学で体重を1年間で10キロずつくらい増やして、FWが出来る体で中学3年を終えて、高校に上がった段階でポジションが変わったという感じです。

――ご自身の強みはどこにあると考えていますか
今はそれほどでも無いかもしれませんが、まずはボールキャリーとフィットネスです。試合中に走れるスピードと持久力が強みかなと思います。

――その点で、大学でこのプレーはある程度通用するなと感じた部分と、ここをまだまだ伸ばさなければならないという部分があったら教えていただけますか
浪人していたということもあり、今はラグビーに体が慣れていなくて、大学でどこが通用するのかなということを探している段階で、まだ強みは見つけられていないのですが、ベーシックな部分に取り組んでいけば伸ばせるというのは、先輩方を見ていたり自分が2ヶ月くらい取り組んで感じた部分です。基礎をしっかりと作っていけば上でも通用するプレーができるようになる、と感じました。

――早稲田の中で、憧れの選手はいらっしゃいますか
4年生の原朋輝(スポ4=神奈川・桐蔭学園)さんと、宮武海人(政経4=東京・早大学院)さん。その2人ですね。2人とも同じポジションなのですが、それぞれに「ここすごいな」と思わせるような強みがあって、2人から良いところを吸収出来れば、先輩方に追いついて追い越していけるようなプレイヤーになれるのではないかと感じます。

――特にこのプレーだな、という部分があれば教えてください
宮武さんはものすごくスクラムが強いです。原さんはすごくラインアウトが上手いです。2人ともどちらも上手いのですが、特にそこかなと思います。

――現段階での直近の目標を教えてください
まずフィジカルをもう一度作るということと、フィットネスをさらに上げていくというところです。もう一つは、かなりラグビーのスキルの面で『ラグビー勘』のようなものがズレてしまっていて、自分の思っているように体が動かないとか、ラグビーに慣れていないということがあるので、そこをしっかりと調整して、ちゃんとまたラグビーができるようにしたいなと思っています。

――次に、この先4年間の目標を教えてください
やはり赤黒を着ることです。そして、赤黒を着て『荒ぶる』を歌う、というのが最終的な目標です。

――では最後に、ご自身が今、感謝を伝えたい方を教えてください
両親と、同期と、恩師です。今、自分は実家暮らしなのですが、高校の頃からかなり食事などの面でのサポートで両親に負担をかけていると思っているので、本当にすごく感謝をしている部分です。

――恩師、同期の方への思いも少し聞かせてください
ここまでラグビーを続けているというのは、いろいろな人とラグビーをやってきて、大学でもやろうと思わされるだけのプレーをする場所を与えてくれた、恩師や中高の同期がいてのことです。こうした環境を与えてくれた、そして一緒にやってこられたことへの感謝の思いがあります。