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2024

関東大学春季大会/東海大学戦観戦記

激しい雨が降りしきる中、小田原の地で東海大との関東大学春季大会初戦(春季大会)が行われた。これまでの春季大会では東海大に1勝5敗という対戦結果となっており、春の早大にとって天敵とも言える相手である。前半4分、フィジカルを強みに持つ東海大相手にモールの真っ向勝負で勝利し、フッカー佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がトライを獲得。その後も、果敢に攻め入り、19-0まで点差を広げる。しかし、その後、東海大学に流れを持っていかれ、早大は2トライを献上。26-14で前半を折り返した。後半は、前半とは一変し、スコアレスな状況が続く。最終的に、両校ひとつずつトライを獲得し、33-19で早大が勝利を収めた。

モールでトライを狙う早大

前半はFW、BKが一体となり、敵陣でのプレーが続いた。開始3分、東海大のオフサイドでペナルティを獲得し敵陣深くまで前進すると、ラインアウトからモールを組んでドライブしていき先制点を獲得した。前半10分には、敵陣ゴール10メートルのセンタースクラムからフェーズを重ね、SH宮尾昌典(スポ3=京都成章)がディフェンスの隙を見事に突いてキック。WTB磯崎錬太郎(商4=徳島・城東)が素早く反応し、走り込んでトライを挙げた。

試合の主導権を握った早大は、前半14分までに19点を獲得する。「試合の入り、モールでの押し勝ちともによかった」(佐藤)、「試合のスタートは非常によかった」(大田尾竜彦監督、平 16 人卒=佐賀工)と立ち上がりの早大は好調であった。その後、東海大は度重なるオフサイドによりシンビン。数的有利な状況が続くも、東海大の逆襲にあい2トライを献上する。前半34分、宮尾が得意とするランでディフェンスの隙間をブレイク。最後はフランカー永嶋仁(社4=東福岡)がインゴールへ押し込んだ。中盤、東海大に流れをつかまれたが、相手に刺さるタックルでリードを守り26-14で前半終了。

ゲインする伊藤

後半、悪天候の影響により両チームにハンドリングエラーがみられ、キック、セットプレーが多くなる。そのなかでも、ラインアウトでは「今年はいい高さでリフトを上げてくれるので投げやすい」と佐藤が語るように、ロック池本大喜(文構4=東京・早実)らを筆頭に抜群の安定感をみせる。また、公式戦初出場の両プロップ門脇浩志(スポ3=神奈川・桐蔭学園)、下村勇貴(文3=東京・早実)は、安定したスクラムに大きく貢献した。

後半14分、またしてもモールで東海大を圧倒し、佐藤がグラウンディング。その後は、一進一退の攻防が続き、後半39分に自陣ゴール5メートル前からモールで押し込まれトライを許したが、早大が逃げ切り試合は終了。

昨季、課題となっていた試合の入りで相手を圧倒できたことが、今日の勝利の一因となった。また、コンディションが悪く、セットプレーや接点が重要となる試合で、東海大に勝利できたのは大きな収穫であろう。今季から見直したタックル評価方法や強度の高い練習が、早大のレベルをさらに引き上げる。大田尾監督が言及した「試合の波」を修正し、次戦の明大戦での白星を期待したい。

文:長野恵治 写真:川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)