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2023

招待試合/慶應義塾大学戦展望記

100戦目となる秋の早慶戦を前に、岐阜県メモリアルセンター長良川競技場では春の早慶戦が開催される。関東大学春季大会(春季大会)を2勝1敗で進めている早大は、展開力だけでなく激しいブレイクダウンを武器としている。修正を重ね成長し続ける早大、伝統の一戦に勝利し、春季大会後半戦に勢いをつけることができるか。

約800人のラグビーファンが上井草に集まり、盛り上がりを見せた前節の東洋大戦。前半5分、早大は自陣ゴール前ラインアウトから立て続けに攻撃を受け相手の先制点を許した。しかし、9分にWTB細矢聖樹(スポ3=国学院栃木)が相手裏に蹴ったボールにCTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台) が反応し、ラックサイドで相手にプレッシャーをかけターンオーバー。FWの連続攻撃から最後はWTB矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園) が公式戦初トライを決めた。

その後、2トライを追加し22-14で前半を折り返す。続く後半は、早大のミスにより一時1点差まで迫られるが、目標に掲げた「ブレイクダウン」でピンチを幾度も切り抜け、2トライを獲得しリードを広げた。試合終了間際には、ロック細川大斗(社4=東京・早実)のビックゲインからフッカー安恒直人(スポ3=福岡) がトライを挙げ、48-26で勝利した。

抜群のセンスでゲームをコントロールする伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

今週末に対戦を控える慶大は、春季大会Bグループに出場。先週行われた立大との試合では、31-0と快勝している。SO永山淳(慶大)を起点にキック力を生かした多彩な攻撃を見せ、持ち前の堅いディフェンスでゴール前に迫る立大からラインを守り抜いた。中でも、公式戦初トライを挙げる活躍を見せたFB松田怜大(慶大)などルーキーの存在感が光る。

「ラインアウトやスクラム、ディフェンスなどで細かな修正は必要だと思います。」とSO伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園) は東洋大戦を振り返る。ブレイクダウンの質を高めつつも、要所における細かなミスを減らし、慶大のディフェンスを崩せるかが勝負となるだろう。

力強くゲインする栗田文介(スポ2=愛知・千種)

今回、早大のスタメンにはU20日本代表に選出されているCTB野中健吾(スポ2=東海大大阪仰星)が出場。持ち前の冷静な判断力でラインを操り、CTB岡本大輝(スポ4=東京・本郷)とともにセンター陣から黒黄集団の壁を突破したい。また、野中同様にU20日本代表に選出され、先週のニュージーランド学生代表戦で力強いプレーを見せたロック栗田文介(スポ2=愛知・千種)の低く刺さるタックルにも注目だ。

そして、桐蔭学園の同級生対決にも期待が高まる。伊藤とプロップ岡広将主将(慶大)、フッカー佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)とフッカー中山大暉(慶大)はともに桐蔭学園出身の同級生。さらに今年桐蔭学園を卒業し、先日公式戦デビューを飾った両校のルーキー矢崎と松田(慶大)も、チームの得点力として実力を発揮している。それぞれ親睦のある両チームの選手たち。両校の伝統をぶつけ合う、白熱した一戦に目が離せない。

記事:千北佳英 写真:川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)