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2024

大学選手権/法政大学戦観戦記

ついに幕を開けた全国大学選手権(大学選手権)。

前節の対抗戦 早明戦で悔しい結果に終わった早大は、「ラグビーという競技において絶対に譲ってはいけない部分」(大田尾監督)を見つめ直し、ここからまた「荒ぶる」までの道のりを歩み始める。早大の初戦の相手は法大。試合は前半8分、早大のモールトライから始まった。先制トライを奪うと、その後も安定感のある試合運びで5トライをあげ、点差をつける。早大は敵陣でのプレーを続けて法大に一切の得点を許さず、37-0で前半終了となった。後半に入ると、法大の力強いアタックに自分たちのペースを乱されかけたが、コンタクトやセットプレーの部分で最後まで余裕のあるプレーを見せる。着実に得点を重ね、54-12で大学選手権初戦を勝利で飾った。

序盤から早大のペースに持ち込んだ。試合が動いたのは前半7分、敵陣右奥でのラインアウトから、武器であるモールで最初のトライをもぎ取ると、刺さるタックルを続けてくる法大に対し苦戦する時間はあったものの、徐々に打開していく。きっかけとなったのは24分、WTB矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)の独走トライ。自陣でボールを手にすると、そのまま自らが敵陣へ切り込み何人もの相手ディフェンスを置き去りにして、インゴールまで駆け抜けた。このトライで勢いに乗った早大は、直後の28分にも好機をものにする。敵陣右奥でのラインアウトからテンポ良く左へ展開し、SO久富連太郎(政経4=島根・石見智翠館)からパスを受けたCTB野中健吾(スポ2=東海大大阪仰星)が右へ切り返す巧みなパスを見せる。最後はそのボールを受けたWTB矢崎がゴールポスト左へ抜けていき、自身2トライ目を挙げた。31分にはFL安恒直人(スポ3=福岡)、HO佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)をはじめとするFW陣一人一人が着実にゲイン。トライライン目前まで押し込んだボールをSO久富がグラウンディングした。前半終了にかけての猛攻で一気に点差をつけた早大は、さらにCTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台)も1トライを追加して37-0で試合を折り返した。

スピードある突破力で、何度も好機を作り出したWTB矢崎

ハーフタイムが明けると、早大スクラムに乱れがあり、なかなか攻撃を仕掛けることができないまま時間は経過。しかし、ここも今試合序盤から活躍が光っていたWTB矢崎の快走があり、一気に敵陣奥深くまで攻め込むことに成功する。LO池本大喜(文構4=東京・早実)が抜け出して相手ディフェンスを引き付けると、サポートに入っていたWTB福島秀法(スポ2=福岡・修猷館)へパスが渡り、左ライン際を駆け抜けて後半最初のトライを奪った。自陣でのペナルティーなどが絡んで法大に初得点を許した後も、自分たちのプレーを見失うことはない。後半27分、敵陣浅いところのマイボールスクラムからSO吉岡麟太朗(スポ3=東京・本郷)、CTB岡﨑、WTB福島が順につないで相手ディフェンスを振り切り、CTB守屋大誠(政経3=東京・早実)が左大外へ飛び込んだ。そして、この後33分にはケガで戦線を離脱していたSH宮尾昌典(スポ3=京都成章)が、約半年ぶりに実戦復帰。観客からも大きな声援が送られた。最後は試合終了間際の41分、敵陣左奥でのラインアウトから得意のモールで押し込み、54-12で試合を締めくくった。

相手ディフェンスを抜け、インゴールを目指すLO池本

終始安定したプレーを続け、大学選手権初勝を突破した早大。「ブレイクダウンの部分とコンタクトの部分を見直して、そこの成果がかなり出た」と大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)は評した。

次戦、関西屈指の実力を誇る京産大との一戦は、「荒ぶる」への道のりにおいて一つの関門となるだろう。大学選手権は負けたら終わりのトーナメント制。「全てを懸けるエナジーを全力で表現」(伊藤)し、万全を期して京産大を迎え撃つ。

記事:濵嶋彩加 写真:村上結太、川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)