早稲田大学対関東学院大学。20年ほど時を戻すと、2001年度から6年連続で全国大学ラグビーフットボール選手権大会決勝で相まみえた屈指の好カードだ。その6戦は3勝3敗のイーブン。大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)が主将として臨んだ2003年度の決勝は7-33で敗北しているなど、関東学院大との激戦の記憶は色あせていない。ついに復活したかつての名勝負。あの日の借りを返し、大阪の地へ駒を進めることができるか。

早大は先週、対抗戦優勝を懸けた早明戦に臨んだ。FB矢崎由高(スポ3=神奈川・桐蔭学園)が先制トライを挙げたものの明大にすぐに奪い返され、10-10で前半を終える。続く後半で先制された早大はペナルティーゴールで明大の背中にピッタリとくっついたが、最後まで逆転のトライを挙げることは叶わず、関東大学対抗戦を3位で終えた。試合後にSH糸瀬真周(スポ4=福岡・修猷館)が「厳しい山に入ったことはもちろんわかっている、やるしかない」と力強く語ったように、早大の選手たちの『荒ぶる』への決意がより一層燃え上がった敗北であった。
対する関東学院大は関東大学リーグ戦初戦で大東大との殴り合いを制し、白星発進に成功する。次節では東洋大に1トライ差で敗れたものの、続く立正大との一戦で35-24で勝利し、迎えた第4節は東海大との一戦。リーグ戦内では盤石の強さを誇っている青のジャージに対し、モールでインゴールを叩き割るなどセットプレーでの成長を見せつけた。結果は20-31で敗戦となったが、関東学院大復活の兆しを感じさせる一戦であった。ここから流通経大、法大、日大に3連勝した関東学院大は実に14年ぶりとなる大学選手権出場を決めた。


今試合で注目したい局面はセットプレー。特に関東学院大のモールは要注意であり、No.8リー・ティポアイールーテル(関東学院大)を中心としたFWの塊を押し返すことができるか、早大FWの意地のディフェンスに期待したい。先週からメンバーを変更した早大は関東大学ジュニア選手権を主戦場としていた選手たちが並ぶ。PR勝矢紘史(スポ4=長崎北陽台)、LO萩原武大(スポ4=茨城・茗渓学園)、CTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)、金子礼人(法4=福岡・西南学院) 、ベンチに控えるPR山口湧太郎(スポ4=神奈川・桐蔭学園)は4年生として出色の活躍を見せてきた5名。ラストイヤーに懸ける熱い思いが表れたプレーには目が離せない。



ついに始まった大学選手権。負けたら終わりのノックアウトステージには独特の緊張感が漂う。たった80分間で自分たちのこれまでを出し切り、次の試合へとつなげなければならない。出し惜しみなく、『赤黒』の強さを見せつけろ。
記事:村上結太 写真:安藤香穂、清水浬央、大林祐太(早稲田スポーツ新聞会)
