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2025
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【第62回全国大学ラグビーフットボール選手権大会】【3回戦 関東学院大学戦/観戦記】

ついに幕を開けた全国大学選手権。負けたら終わりのノックアウトステージに緊張感が高まる中、早大は関東学院大学との初戦に臨んだ。前半から早大らしい展開ラグビーを繰り広げた。チャンスを必ずものにし、38-7と圧倒的な力の差を見せつけて試合を折り返す。

メンバーを大きく変えた後半。前半と同様に攻撃の手を緩めることなく、次々とトライを奪っていく早大は関東学院大に得点を許すことなく、計7トライを追加。85-7と関東学院大を大きく突き放し、試合終了。今後を占う大事な初戦を白星で飾ることに成功した。

インゴールに走るFL田中(勇成)

関東学院大のキックオフで始まった今試合。5分、相手ペナルティーから敵陣ゴール前でのラインアウトを獲得した早大は、細かくパスをつなぎ、敵陣で関東学院大ディフェンスをじわじわと崩すと、FB矢崎由高(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がトライ。

続く10分には、WTB​​鈴木寛大(スポ3=岡山・倉敷)が裏のスペースを目掛けて大きく蹴ったボールをNo.8松沼寛治(スポ3=東海大大阪仰星)が猛追。鈴木とSH川端隆馬(スポ1=大阪桐蔭)の強烈なダブルタックルで溢れたボールをPR新井瑛大(教3=大阪桐蔭)が拾い前進する。早いテンポで川端がボールをさばき、CTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)からWTB田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)へのロングパスが繋がると相手タックラーを弾きながらトライ。スコアは12-0に。

21分、敵陣22メートル付近のマイボールラインアウトから右に大きく展開。矢崎がタックルを外しながらオフロードパスを放ると鈴木がインゴールへ飛び込んだ。27分にも敵陣深くでのラインアウトからボールを左右に大きく振り、フェーズを重ねた早大。黒川がパスダミーでブレイクすると、SO服部亮太(スポ2=佐賀工)が相手ディフェンスの隙を抜け、そのままトライし、24-0と点差を広げる。

直後の30分、乱れた早大のパスを関東学院大に拾われて失点したものの、流れを渡すことなく敵陣まで攻め込んだ早大。34分、37分と連続してモールトライを挙げる。服部のコンバージョンキックも決まり、38-7で前半を折り返した。

ライン際を駆けあがるWTB田中(健想)

前半から一転、日差しが差し込んだ後半。開始早々から自陣深くまで攻め込まれるも、ボールを奪い、テンポよく大外まで展開した早大は田中(健想)のオフロードパスから松沼が相手の背後へキックし、一気に敵陣へ。相手ディフェンスが整う前に、CTB島田隼成(スポ2=福岡・修猷館)、黒川と素早くパスをつないでゴール前に侵入すると、最後は、LO萩原武大(スポ4=茨城・茗渓学園)からオフロードパスを受け取ったPR勝矢紘史(スポ4=長崎北陽台)がトライ。関東大学ジュニア選手権で活躍してきた選手たちがグラウンドを躍動した。

続く8分、11分に鈴木と田中(健想)がそれぞれ今試合2本目のトライを挙げ、スコアは57-7に。16分、黒川のスティールからゴール前のチャンスを得た早大はFL城央祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)​​が相手の意表を突き、ラックから持ち出してトライ。島田のキックも決まり、64-7と突き放す。

続く68分にも、敵陣5メートルでのマイボールラインアウトから着実にゲインラインを切ると、CTB金子礼人(法4=福岡・西南学院)からパスをもらったNo.8粟飯原謙(スポ4=神奈川・桐蔭学園)がブレイク。相手タックラーを押しのけながら50メートル弱を走りきった。

73分にはFL田中勇成副将(教4=東京・早実)自らトライを挙げ、さらにリードを広げていく。76分、黒川の美しいキックパスは島田の胸に収まり、ダメ押しのトライ。最終スコアは85-7でノーサイド。大学選手権初戦を危なげなく勝利で飾った。

力強くゲインするLO萩原

いよいよ始まったチーム野中の最後の旅路。次なる相手は天理大。2年前に悔しくも敗れた大阪の舞台で、再び戦いの火蓋が切られる。試合後に田中(勇成)は「個人的にも2年前の印象は強く、あの試合をきっかけに自分も変われた。もう一度早稲田を強くしたいという思いが湧いてきた試合だったので、来週は過去の記憶を払拭するような試合にしたい」と意気込む。年明けに再び国立で戦うために。大阪の地で勝利の雄叫びをあげろ。

記事:安藤香穂 写真:村上結太、大林祐太(早稲田スポーツ新聞会)