雲が空を覆い、汗ばむ陽気の中で繰り広げられた今試合。数々の名勝負を繰り広げてきた帝京大との一戦に、多くの観客が開門前から早大・上井草グラウンドに集い、声援を送った。前半開始直後からトライを挙げ、先制に成功。続く後半も流れを引き寄せ点差を広げていくも、帝京大Aの強力なスクラム、そしてターンオーバーからの素早いアタックによりテンポを崩された早大A。試合終了間際にはトライを許し、最終スコア32-33で悔しい敗戦を喫した。

前半開始早々敵陣で展開。帝京大Aのハイタックルで早大Aボールのラインアウトに、モールで押し込みあうも、帝京大Aのコラプシングでアドバンテージを得た早大A。2分、SO服部亮太(スポ3=佐賀工)から素早いパスがつながり、LO米倉翔(スポ4=福岡・修猷館)が右サイドにトライ。5-0とし、先制点を挙げた。4分、服部のハイパントをCTB島田隼成(スポ3=福岡・修猷館)がキャッチ。島田自身も強みとしている部分が今試合も光った。
6分、帝京大Aボールでファーストスクラムが組まれた。ヒットは帝京大Aに押され負けていたものの、その後押し返した早大A。9分、CTB名取凛之輔(スポ2=大阪桐蔭)が激しいコンタクトで相手を後退させる。10分、帝京大Aのハイタックルでペナルティーを獲得した早大A。タッチキックで敵陣左に蹴りだす。そのまま早大Aのラインアウトからモールで強く押し込み、FL久我真之介(文構3=東京・早実)がゴールラインを叩き割った。10-0とし、連続得点となった。13分、自陣で早大Aボールのラインアウトから、またも服部のハイパントから米倉、島田のアタックが展開された。早大Aの攻撃が続く。14分、名取からFB田中大斗(教3=東京・早実)、そしてWTB田中健想(社3=神奈川・桐蔭学園)へ華麗な球運びが続き、そのままゴールライン右に飛び込んだ。15-0とし、帝京大Aを突き放していく。
19分、グラウンド中央で早大Aボールスクラムから、米倉の気迫あふれるアタックで帝京大Aのディフェンスを跳ね返すも、早大Aのノットリリースザボール。帝京大Aに自陣にて展開され、流れを引き渡してしまった。その後も、早大Aは反則を続けざまに許し、ラインアウトからモールで押し込まれそのままトライを許し、15-7。28分、帝京大Aの積極的なアタックを米倉とFL野島信太郎(教4=東海大大阪仰星)のダブルタックルで阻む好プレーが見られる。しかし、しばらく自陣のゴールライン際で帝京大Aに攻め込まれる時間が続き、前半43分には帝京大Aにトライ、コンバージョンキックを決められ、スコア15-14で、前半を終えた。

続く後半1分、早大Aのノックフォワードで帝京大Aボールのスクラムが組まれるも、帝京大Aのコラプシングで、早大Aに好機が訪れる。2分、敵陣ゴールライン際のラインアウトからゴールポスト右側へグラウディング。服部のコンバージョンキックも決まり、22-14とした。7分、帝京大AボールからNo.8城央祐(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がスティールに成功。服部が冷静にペナルティーゴールを沈めた。着実に点数を重ね、25-14。13分、敵陣左サイドのラインアウトからモールが崩れ、SH大賀雅仁(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が持ちだし、島田から田中大、田中健想で軽やかにボールを繋ぐ。田中健想が今試合二つ目のトライを決め、32-14とした。
だが、ここで再び厳しい時間が続く。ノックフォワードやコラプシングといった反則が続き、マイボールとしても繋がらない。後半19分、そして30分には帝京大Aが一気に早大A自陣へ攻め込み、連続で得点を許す。32-26と得点差を縮められた早大A。それでも、後半34分には相手選手の勢いを止める山下の低いタックル、37分には今春アタック・ディフェンス共に大活躍の名取の好プレーといった個人の強気なディフェンスが幾度も見受けられた。しかし、最後は帝京大Aボールのスクラムで押し負け、そのままノーサイド。最終スコア32-33で、今試合の幕は閉じた。

関東大学春季大会も残り少ない中行われたこの練習試合。敗戦となったものの、大きな収穫となったはずだ。ペナルティーが多く散見されたことについては改善が必要だが、接点において素早い強気のディフェンスは印象的だった。セットプレーでは、スクラムは後半に選手交代の影響で崩れたものの、序盤は互角に押し合うことができていた。そして、ラインアウトでは、HO清水健伸主将(スポ4=東京・國學院久我山)も「基本的なところを突き詰めたよいラインアウトだった」。と語るように、全体を通して安定感のあるプレーだった。
疲れが重なってくる中で、後半にかけていかに泥くさく粘って対抗していけるか。チームとしても、選手個人としても、伸びしろがはっきりとした一戦になったのではないだろうか。次週の関東学院大戦や夏合宿、そして秋の関東大学対抗戦に向け、希望ある可能性を秘めた『赤黒』の戦士たちから目が離せない。
記事:吉田さとみ 写真:大林祐太、伊藤文音(早稲田スポーツ新聞会)
