菅平高原のさわやかな風が時折吹く菅平・サニアパークにて早大Bと帝京大Bが相まみえた。
試合開始直後から主導権を握ったのは帝京大B。早大Bはマイボールをキープするも強力な守備の前に押し戻される。これに対し早大Bは苦し紛れにハイパントキックを上げ、少しでも前進を図る。しかし、このアンストラクチャーを帝京大Bがものにし、大外に展開。先制点を許してしまった。その後4つのトライを奪われるも、早大Bは前半のラストに1トライを返し、反撃ののろしを上げる。
迎えた後半、流れを自分たちのものにしたい早大Bは、先に得点を奪われるもその6分後には巧みなパスさばきでトライラインを割り、喰らいつく。しかし試合の主導権は奪えず、もう1トライを返すもリードを守られ、最終スコア21-46で敗戦を喫した。

早大Bボールのキックオフから幕を開けた今試合は、帝京大Bが陣地回復を狙ってボールを蹴りだし、いきなり早大Bのラインアウトとなる。これを確実にキープした早大Bであったが、堅いディフェンスに押し込まれ、攻めながらも後退してしまう。この苦しい状況から脱するために少しでも前進し、ボールを再獲得しようとハイパントキックを上げるも帝京大Bのもとにボールが渡ってしまう。このアンストラクチャーを見逃さなかった帝京大Bが大外にボールを展開するとそのまま走り切られ、先制点を許される。
その後、8分、12分と立て続けにトライをとられ、点差を広げられる。流れを変えたい早大Bは17分にはダブルタックルで相手のノックオンを誘い、ボールを奪う。そこからPR平山風希(スポ1=大分東明)へボールがわたり、フィジカルを生かして二人を突き飛ばして前進する。ここでペナルティーをもらい、さらなるチャンスが巡ってくるも帝京大Bはこの攻撃をスティールで阻止。攻撃の芽を摘まれてしまう。その後も2トライを連続で許し31分に0-27となる。
しかし、早大Bも39分にラインアウトからモールを形成し、最後はHO杉村利朗(社2=東福岡)がトライラインをたたき割り、反撃ののろしを上げた。

かわって後半、早大Bは反撃に徹したいところであったが帝京大Bの強靭なフィジカルでゲインを許す。グラバーキックでゴールライン深くまで押し込まれ、 一度はボールを確保するもスティールされる。そのままインゴールへ侵入され、さらに突き放される。
しかし早大Bも必死に喰らいつく。10分に帝京大Bのオフサイドのペナルティーからマイボールラインアウトを得ると、細かくパスをつなげ、ボールはWTB西浦岳優(社2=東福岡)のもとへ。スピードを生かし相手を引き付け、最後は同じくWTBの山下恵士朗(スポ2=早稲田佐賀)がトライラインへ飛び込んだ。この日、A戦でもトライを決めた山下が決定力を見せつけた。
このまま試合の主導権を握りたいところだったが、スクラムでは何度もペナルティーやフリーキックを与えてしまい、逆に攻め込まれる状況が続く。早大BはLO米倉翔(スポ3=福岡・修猷館)などの献身的な守備で危機を脱するシーンも見られたが勢いを止められず、17分、31分に追加点を与えてしまい14-46とリードされる。
一方早大Bは交代で入ったSH川端隆馬(スポ1=大阪桐蔭)が粘り強いディフェンスやテンポの速いボールさばきなどで徐々に息を吹き返し、攻撃が通用し始める。そして38分に交代で入っていたSO仲山倫平(法4=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)が抜け出し、外にいた西浦をおとりに使いつつ内からフォローに駆けつけていた川端にパスし、インゴールへ。
さらにラストワンプレーでも相手自陣深くでのラインアウトを獲得し、絶好の得点チャンスを演出する。しかし最後はパスが乱れボールがタッチラインを割り、ノーサイド。最終スコア21-46で悔しい敗戦を喫した。

春の練習試合では終始リードを守り切り、31-24で競り勝った早大B。しかし約2ヵ月の期間を経て帝京大Bに差をつけられるかたちとなってしまった。
インタビューでは全ての選手が自身の課題を指摘したように、秋に開催される関東大学ジュニア選手権でのリベンジに向け、闘志が燃えているのが伝わってきた。夏合宿も折り返し地点となった早大は残りの期間で飛躍的な進歩を遂げることができるのか。
記事:髙木颯人 写真:村上結太、安藤香穂(早稲田スポーツ新聞会)