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Beat Up

2024

対日体大戦 10月10日に縁起よく、末広がりの88点!


 「今日は(現時点で)所謂控えの選手たちの活躍を期待していた。それぞれいいプレーをしてくれたし、そこが収穫」(清宮監督)。赤黒を懸けた壮絶なサバイバル。メイングラウンドの養生、降り続く雨…。思うように積めぬトレーニングも何のその、生き残りを賭ける若者たちが、嵐の去った秩父宮で躍動した。
 「最初はバタバタしてしまった…」(SO菊池和気)、「15分くらいまでは攻める場所が正しくなかった…」(清宮監督)。司令塔、指揮官ともに反省の色を浮かべた序盤こそ相手と揉み合ったものの、14分に久々のお約束・ラインアウトからのドライビングモールでインゴールを陥れると、そこからは広々としたグラウンド(現在練習に使用しているサブグラウンドはご存知のように半面の広さ。みな正規のサイズに飢えてます…)を楽しむかのようなトライラッシュ。FWが激しく前に出て、BKが『精確』かつ、華麗に仕留める。最大の課題・ハンドリングエラーこそ多々あったものの、それを補って余りあるハイペースでトライを重ね、元祖F1バックス・日体大を瞬く間に引き離した。
 あらゆる局面で格の違いを見せつけたNO8佐々木隆道(毎試合変わらぬパフォーマンスの高さは秀逸の一言です…)、攻守に群を抜く仕事量を見せたフランカー古島直らFWはもちろん、この日チームに勢いを与えたのが、FB五郎丸歩、WTB三原拓郎のルーキーふたりによるスーパートライの競演。まずは前半31分、『怪物』・五郎丸が相手のハイパントを悠々とキャッチすると、襲い掛かるタックラーふたりをウルトラE難度、一歩下がったステップで交わし(脅威のセンスです)、そのまま4人をごぼう抜き。推定計6人を置き去りにするミラクルランで、観衆の度肝を抜いた。この壮大なスケールジャパン級…。
 そして後半6分、今度はWTB三原が負けじと自陣22mラインから一気に爆走。首脳陣も大絶賛、名門・修猷館の名に恥じぬインテリジェンス溢れる華麗なランで(内、外、内の緩急、駆け引きの妙はザッツ・WTB)ディフェンダー3人を手玉に取り、その名を世に知らしめた(秩父宮初トライ!)。数々の名選手を輩出、修猷館と言えばワセダです…。
 「ケガ人もいるけれど、出た選手がそれぞれ自分の持ち味を発揮していた」(NO8佐々木)と言う様に、『荒ぶる』メンバー・豊山寛、決勝経験者・池上真介の両CTBも強烈なタテ、自慢の瞬発力でその存在を大いにアピール。「今はワセダスタンダードを上げていく時期だと考えている…」(清宮監督)。ここからが真の意味でのサバイバル。赤黒を手にできるのは、日々高まるワセダスタンダードを体得できた選手のみ。究極のサバイバー・赤黒ワセダに負けの二文字は存在しない…<早大ラグビー蹴球部広報 疋田拡>

<選手層の厚みに手応え十分の清宮監督>
「今日は菊池が期待どおり動いてくれた。これでまたチームに厚みがでたかなと。オックスフォード戦から数人抜けて、今日は所謂控えの選手たちの活躍を期待していた。それぞれいいプレーをしてくれたし、今日はそこが収穫。ただFWはちょっと雑になってきている。もっと丁寧にプレーして欲しいところが多々あった。選手たちには試合が終わった後に自分の納得できるかが大事だ、そういうプレーをしようとずっと言っている。今はワセダスタンダードを上げていく時期だと考えている。菊池の1番いいところはディフェンス力。あと一週間程で戻ってくる安藤、今日途中から出た久木元と比べても1番いいから、他のスキルが上がればチームに安定感がでる。今日はキックも飛んでいたし、パスも悪くなかった。グラウンドの使い方、ボールの動かし方をもう少し積めれば、レギュラーとして十分いけると思う。五郎丸はたまに何気なく、考えないでプレーしているような面があるので、そこを注意している。今日もラストパスをスクリューで放ったり、意識、気持ちの入っていないときがあった。それは若さでもあり、経験のなさ。試合の序盤は菊池がどの位置でボールをもらうのがいいのか掴めていないところがあったし、15分くらいは攻める場所も正しくなかった。攻める場所を間違えたら相手にも止められてしまう。それも今日が初めて赤黒の『10番』を着たというのがあったのかなと。先週も話したけれど、芝生の状態は問題として捉えていかないとダメだと思う。このまま放っておくのではなくて、何らかの処置を施して欲しい。外国ではいい芝を取ってきて、植え替えるという作業をよくしていて、日本にも自分が知っているだけで2つほどそういったものがある。植えたら10日くらいで使用できるようになるので、是非やってもらいたい。もしそれで、その期間秩父宮が使えなくなったとしても、代替地があればそこで試合をしてもいい。とにかくこのままではシーズンもたないと思う」


<更なる厳しさをチームに求める主将・諸岡省吾>
「試合前のミーティングでFWはしっかり拘るように言われていたけれど、今日も意識が低くて、納得できる内容ではなかった。BKはミスも多かったけれど、和気を中心にしっかりコミュニケーション取ってよくやってくれた。ただ、FWはモール、スクラムにもっと拘っていかなくてはいけないのかなと。見ている人はどう思ったか分からないけど、序盤にガツガツやられてた感じはまったくなかった。最初にモールで取りに行ったのもBKがちょっとうまくいっていないから、FWで行こうかというくらいで。もっと早く取れるかなというのはあったけれど、やられてる感はまったく。スクラムのペナルティーは2本ともアーリープッシュ。ワセダが押したい場面で、タイミングが早くなってしまった。今度からは気をつけなければいけないし、もっと一瞬の爆発力をつけなければいけないなと。今日はメンバーも替わって、日体の前に出てくるディフェンスに対してうまく攻められずに、最初ああいう形になってしまったけれど、途中からは落ち着いて対応できて、いい形で攻めることができた。全体のデキとしては悪くはないけれど、まだミスもハンドリングミスも多いので、そこはもっと厳しくやっていきたい。モールは1本目(トライ)はまぁまぁよかったけれど、清宮さんも言った様に雑になってきているので、もっと拘っていかないとダメですね」


<日々進化を続ける副将・後藤将太>
「1試合通じてBKのミスが目立ってしまったので、ひとりひとりの意識をもっと高めて、そこはとにかく早急に突き詰めていかないといけない。ただ今日はいいアタックが何本もあったし、和気のしっかりした声で自分もやりやすかった。和気と初めて組んだにしてはまぁまぁかなと。WTBが飛び出してくる相手のディフェンスに対してもしっかり修正できましたし。今年のチームは色々なところから声が出て、すぐに自分たちで修正しようという意識があるのがいいところだと思う。(前半8分、ピンチを救うスーパータックル!)あれは池上くんが抜かれたので、これは自分の見せ場かなと(笑)。まぁまぁでしたね。とにかく昨年までの自分とは段違いに変わったと思っている。昨年とスタートラインも違うし、これくらいはできて当然です。自分の最低ラインが上がってきているので、いいプレーをして当然だと思ってます」


<監督よりお褒めの言葉を頂戴した赤黒初『10番』菊池和気>
「今日初めて赤黒の『10番』を着けたけれど、やっぱり他とは全然違う。試合の序盤は少しバタバタしてしまった…。今日はBKの判断とコミュニケーションということを課題にしてゲームに臨んだけれど、自分としては全然できなかった。BK全体として、特にSOとCTBの間でのコミュニケーションがうまくできなかった。相手のWTBが飛び出してくるところに対応できなかったり、反省ばかりです。最初のスクラムでの判断、余っている場面でのパスミス、特に前半は悔いの残るプレーが多かった。後半はコミュニケーションという意味ではよくなったけれど、ノックオンも多くてFWには迷惑をかけてしまった。今年はアタックでやることが明確になっていて、練習でもチャンスでしっかり取るということに重点を置いてやっているので、自分のよさもうまく出せているのかなと。SOとCTB、どちらにも拘りはそんなにない。まだ三角もいるし、とにかく試合に出られるようにがんばりたい。今日の試合は自信になると思う」

<質の高いパフォーマンスでチームを牽引したNO8佐々木隆道>
「今日はいいプレーができたとは、それほど思わないです。ただ、自分としては最近いいイメージが余りなかったなかで、こういったら抜けるなとか、このコースなら抜けるなとか、そういったものを久々に掴んだ試合だった。翔太さんが僕のプレーを見て色々アドバイスしてくれるんですけど、今日それを意識的にやってみたら(今週は雨でほとんど練習できず、試すようなシチュエーションが今日が初めてだったようです…)助言どおりに抜けやすくなった。翔太様様です(笑)。自分自身のコンディションは悪くないけど、ちょっと疲れてきてるかなと。オックスフォード後のリカバリーでもそれなりに追い込んでいたので。ただ、自分としては動いていた方が調子がでるし、疲れているくらいがいいかなと。チームの調子も上がってきている。ケガ人もいるけれど、出た選手がみんな持ち味出しているし、疲れたときのハンドリングに難はあるけれど、やろうとしてることができてきている。自分としては、これまで以上に余裕のある、懐の深い、(日本代表NO8)箕内さんのようなプレーをしていきたい。見ていて他の日本人と全然違いますから。まずはそのレベルを目指してやっていきたいです」


<スーパープレーにもまだまだ反省のFB五郎丸歩>
「後半の最後にBKがいい形でトライを取れたのはよかったけれど、前半のうちからあれができていればもっと展開が楽にできてと思う。自分としてはキック処理はこの間よりよかったと思うけど、ラインで外にいったときにスピードが落ちてしまってゲインできなかったのは反省。あと気が抜けてしまうのをなくしていきたい。トライは(ハイパンキャッチから6人を抜き去りトライ)相手が上のレベルのチームだったらトライになっていないのでそんなには…。ディフェンスはみんな前で止めてくれるので、怖さはまったくなかった。今日はとにかく取れるところで取りきれなかったのが課題。やっぱり判断ができていないし、みんなの意思統一ができていないときがたまにあるので、そこを意識していきたい。プレースキック(上井草では入れまくり)は前半いいけど、後半になると何故か入らなくなるんです。気が抜けてる訳ではないんですけど…。早慶戦くらいになるとだいぶ変わってくると思うけど、対抗戦は他の試合と変わらない雰囲気でやれている。まずはケガをしないで、決勝まですべて出て、安定したプレーでチームに貢献していきたいです」