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Beat Up

2024

対関東学院大 今こそチャンス!1月13日を忘れるな!

 

 「やっぱり…、完敗ですね。点差うんぬん以上に『負けた』という感じです」(副将・五郎丸歩)―。38-0 → 19-10。自分たちの成長を確認する、この先の航路を決める『夏関東』。更なる高みへ。ステップアップを誓った『権丈組』は、自分たちの甘さを痛感した。『負けた』、この言葉の持つ意味は…。もっとも大切だった『勝利』を得たにも関わらず…。
 焦点はとにかく『激しさ』のただ一点。関東戦はひるんだら負け。そこで引きさえしなければ、「ワセダにしかないもの」(五郎丸)で勝利は自ずとついてくる。それは真理であり、道しるべ。しかし、分かってはいても、どんなに試合前意識していようとも、この日のワセダは後手を踏んだ。「1人目がきれいにリリースできない。相手をはがせない。テンポがでない。そこが1番よくないところでした」(主将・権丈太郎)。「一次から後手後手。2人目が遅かったですし、ペナルティ、ペナルティで関東のペース。そこが1番大きかったです」(SH三井大祐)。立ってプレーすることができずにバッタバタ(意識薄れてきている?)、2人目の寄り、ガチコーン入ってくるスピードでも関東を下回り、まったくと言っていいほど、意図したアタックはできなかった。少しずつ食い込まれる。クリーンボールが出ず、テンポも出ない。今更ながら、やはり関東戦はブレイクダウン…。
 そして『負けた』感覚をもたらしたもうひとつの要因が、チームの根幹を成すセットプレーの不安定さ。7月1日圧倒したスクラムはペナルティを取られるなど低調。ラインアウトも単純なキャッチミス、スローミスが続出し、ことごとく攻撃権を放棄した。「スクラムをコントロールされたことで、こういう結果に繋がってしまった。レフリーの方に確認しないといけないです…」(副将・畠山健介)。「セットがまったく安定しなかったことで、何もしようがなかった。FWが優勢であることを前提にプランを立てていましたから…」(副将・五郎丸歩)。セットが乱れる。ガツガツくる相手に対し、なかなかファイトしきれない。ん?、あのときを忘れずやってきたのに…。グラウンドで起きている現象は、あの1月13日ソックリだった。
 蘇りかけたあの悪夢。しかし、それでも、パニックに陥りかけながらも、『権丈組』は負けなかった。完全なるディフェンスミスで先制を許した直後の19分、キックオフを一気のラッシュでターンオーバー。38分にはFB五郎丸歩が3人を『Penetrate』。我慢に我慢を重ねた後半31分にも、セットからの継続でダメ押しトライ。要所で飛び出したフランカー有田幸平(この『激しさ』をスタンダードに!)、プロップ畠山健介のジャッカルも光を放ち、スコアを競う試合には無難に勝った。いかなる勝負も物にする。これは昨シーズンとの大きな、そして決定的な違い。「最悪の形になっても関東に勝つことができたのは唯一の収穫ですし、それはチームに力がついてきたということ。ここがこのチームの底辺。ここでチームが変わるチャンスだとプラスに考えて、またしっかりとやっていきます」(主将・権丈太郎)。
 1対1でディフェンスの裏に出る。タックルで敵の懐に突き刺さる。相手のスクラムを粉砕する。中竹監督が今年掲げた『Penetrate』、この夏のテーマ『超徹底』は何ひとつ完遂できなかった。やはり最大のライバル・関東学院、ワセダに色々なことを教えて(見せて)くれた。ブレイクダウンの『激しさ』、精度も、セットも、アタックの組み立て(この日は勝負度外視?の場面も…)もまだまだやらなくてはならないことがたくさんある。本当にチームがひとつに、浸透(『Penetrate』)しきるまで。関東戦前日配られた部報『鉄笛』に、権丈太郎はこう綴っていた。「1・13、俺たちの原点。あの敗戦からすべてが始まった。俺たちは最大の屈辱を受けた。決勝で、国立で、あいつらを粉砕しなければならない。これは『使命』である。ワセダがワセダであるために…」。そう、ワセダには命を懸けて成し遂げなければならないものがある。歌わなければならない歌がある。1月13日、あの時感じたことはいつまでも心の中に。スローガン『Penetrate』。さぁ、『権丈組』ここからが本当の勝負―

 

<またまたスーパールーキー大爆発! Bチームは関東制圧!>
 Dの敗北(タックル外されまくり…)、Cの快勝を受け(細川コーチ曰く、「ただ勝っただけ…」)、行われたB戦は、45-7と完全勝利。ラストワンプレー、相手の裏チョンがディフェンダーの手に当たり胸に収まるアンラッキーな形で完封こそ逃したものの、SO田邊秀樹、CTB井上隼一がディフェンスでガンガン前に出(秀逸の一言!)、ゲームを完全に支配した。
 そして、何と言ってもこの試合語らずにいられないのが、またまた光を放ちまくったスーパールーキーたち。WTB中濱寛造がビッグゲイン&美しいラストパスを連発すれば(最後は3人抜きトライ!)、フッカー有田隆平は花園でのランを再現。CTB坂井克行も超ド級のアウトでディフェンスを切り裂き、先輩たちの度肝を抜いた。フランカー松田純平、WTB三原拓郎ら上級生の支えがあってこそとは言え、ルーキーたちの躍動は何とも魅惑的。ワセダには明るい未来が待っている?

<更なる高みへ 今一度『超徹底』を掲げる中竹監督>
「関東戦はこういう試合になってしまうね。実力のすべてを出し切ることは難しい。春はしっかりと力を出すことができたけれど、夏はまったくうちのゲームにならなかった。その要因はブレイクダウンで劣勢になったことと、セットの不安定さ。1次の球出しが遅れて、2段目、3段目も向こうの方が早い。それはセットにも起因するだろうし、動き出しの問題もある。ブレイクダウンはまたやり直しだし、関東は春と比べて断然よくなっていた。今日の試合を経験したことで、この先も気を引き締めて、緊張感を持ってやっていけると思う。チーム力としては成長しているし、ベースの部分は右肩上がりできているという実感はあるけれど、それをゲームで発揮しきる底力がまだ足りないことが分かった。セットに関しては、相手を圧倒するレベルまで持っていく必要があるなと。イーブンレベルで留まっていたら、今日のようなレフリングだと自分たちが崩れてしまう可能性がある。常に相手に対してアドバンテージを持って、そのなかで組み分けるとか、ここで勝負するとか、そういう形にもっていかないといけないね。レフリーの吹き方、スタイルに揺さぶられないレベルの底力はまだなかったということ。ラインアウトは決勝の敗因でもあるし、今日もあまり取れていなかったけれど、もっと抜本的に変えなければという深刻なレベルではない。こぼれ球への反応を含め、春からやってきた成果は出ているし、ここはまた今田(コーチ)を中心に修正してくれるから。BKに関しては色々と準備していたけれど、何もアタックしてなかったね。今日の試合は自分たちを見つめなおすいい機会。今こそワセダはチャンス。今日試合をして感じたことを技術論だけで片付けるのではなく、チームとしての力をどうつけていくのか、相当いい材料になると思う。今日の試合でやることが変わったり、チームの方針が変わることはない。合宿の残りは今一度『超徹底』していく。試合後は春口さんがニコニコして、だいぶ追いついただろ!って。自信満々な感じだったね。恐るべしですと返したけど、ワセダもまた突き放せるように。これをチャンスと捉えて、またチーム一丸やっていきたい」

<今こそチャンス! チームの建て直しを誓う主将・権丈太郎>
「いやぁ、何もできませんでした。特にFW、完敗です…。負けたっていうのは違うかもしれないですけど、やるべきことはひとつもできませんでした。ブレイクダウンが単発になりすぎたというか、向こうはしっかりと研究してきて(長尾)岳人のところに3人できていたし、ワセダは2人目が遅かった。ん~、遅いというより、精度の低さですかね。そこ人はいるけれど、相手1人に対してこっちは2人、3人いるのにはがしきれていないとか。ワセダはペナルティ待ちという状態。1人目がきれいにリリースできてなかったです。相手をはがせない。テンポがでない。そこが1番よくないところでした。ブレイクダウンに関しては、1から拘ってやり直しです。この1週間はワセダにとって本当に大事なものになると思います。春の課題だったモールは、力不足、それだけ。ホント情けないです…。ただ、最悪の形になっても関東に勝つことができたのは唯一の収穫ですし、それはチームに力がついてきたということ。ここがこのチームの底辺。またみんなでやり直して、次の法政戦に臨みます。たくさん取られてしまったペナルティは、スクラムのところと、ラインオフサイド。こっちが勢いよくでている分…。理解できないペナルティが多かったので、そこはレフリーの方にしっかりと確認しないといけないです。今日こういう試合になった1番の要因は、テンポがでなかったこと、ブレイクダウンです。1月13日のあの悔しさはまだまだ晴らせていない。みんなに申し訳ないです。これからに向けては、まずFWのセットの改善。これは早急に。そしてディフェンスに拘ってきたにも関わらず2本取られてしまったので、ここも今一度やり直します。関東は今の自分たちがどのくらいの位置にいるか、どのくらいの力があるのかを知る相手。僕がこういうことを言うのはおかしいかもしれませんけど、シーズン前にこういう最悪なゲームをしてしまったら、もうあとは上がっていくだけ。ここでチームが変わるチャンスだとプラスに考えて、またしっかりとやっていきます。僕自身もまだまだ信頼されていないので、みんなからの信頼を勝ち得るようにがんばります。この1週間、全員が目の色を変えられるか、本当にひとつになれるか、そこにこれからのワセダがかかっています」

<大流血… セットの不安定さを猛烈に反省する副将・畠山健介>
「試合については…、あまり覚えてないです。スクラムをコントロールされたことで、こういう結果に繋がってしまいました。スクラムに関してはレフリーの方に確認しないといけないです。もっとペナルティは少なくできたはずで。モールはまずまずよくはなってきてるんですけど、まだ取りきれない。まだ力が足りないということです。ブレイクダウンは勝っていたところもありますけど、手で行ってしまったり、もっと拘らないといけなかったなと。FWについては、課題しか残りませんでした。もう結果は出てしまったことなので、みんなでしっかりと反省して、正月にあの夏があったから~と言えるゲームにしていきたいです。春のことなんて今日で頭から消えました。これまでもひきずっていることはなかったですけど、今日でまた自分たちを見つめなおせたらと思ってます。何にしても関東戦は勝つことでチームは変われる。そういう意味でもよかったと思いますし、自分たちから変わっていかないといけないです。セットとブレイクダウンにもっともっと拘る。アタックはまだ全然手をつけていないですし、これから整備して、攻守にさらにレベルを上げていきます」

<1月13日は忘れない! チームに喝を入れ続けた副将・五郎丸歩>
「やっぱり…、完敗ですね。点差うんぬん以上に負けたという感じです。セットがまったく安定しなかったことで、何もしようがなかった。タッチに出したり、FWが優勢であることを前提にプランを立てていましたから。ブレイクダウンは負けてました。1回もキレイに球が出てないですから。関東は完全に気持ちが出てました。自分のプレーが流れを変えた?、あそこで取れないともう取る方法がないような状態だったので、そういう意味ではよかったです。今日は春からどれだけ成長したかを測るゲーム、ワセダはまったく成長していなくて、関東は成長していた。これでみんなの気持ちも変わると思うし、逆にチャンス。春の最初、1月13日に負けたあの思いを誰もが心に秘めていたときを思い出して、やっていきたいです」

<試合後は猛省… チームとしてのまとまりを強く意識するSH三井大祐>
「今日は自分たちの力はこんなもんなんだということが分かりました。春終わって自分たちには慢心などないと思ってましたし、1クールもがんばってきた。けれど、今日こういうゲームをしてしまって、もっともっとチームとしてやらなきゃいけないことが多いんだなと。やっぱりセットが安定しなかったこと。春はセットが安定したことで、こっちからドンドン仕掛けていけて、思うような形でできた。でも今日は一次から後手後手。2人目が遅かったですし、ペナルティ、ペナルティで関東のペース。そこが1番大きかったです。こういう状態になったときこそ、チームとしての真価が問われるんですけど、今日はチームとしてまとまりきることができませんでした。2人目の寄りの遅さ、関東の方が完全に早かったです。それはセットも関係しているでしょうし、単純に動き出しの早さの問題もある。BKは色々とやりたいことがありましたけど、攻める機会がなかったです。ゲームが切れるのがあれだけ多いとやっぱり関東ペース。ワセダとしてはボールを動かしたかったんですけど…。ペナルティに関しては、スクラムがあってないとか、オフサイドとか…。連続ペナルティは絶対にしないとみんなで話していたんですけど、自分たちで苦しくしてしまいました。今日の試合で春の勝利は意味のないものだったと分かりましたし、いくら春夏勝っても、本番の冬で勝たないと意味がない。この試合はチームがまとまっていく上では、変わる上では、大きなチャンス。またしっかりとみんなで話をしてチームの力を上げていきたいです。この先に向けては、まずセットの安定。それとうまくいかなかったときこそ、本当にみんなでまとまって、ひとつのチームになっていけるように。またしっかりとやっていきます。1本目のトライは、自分が止めないといけなかったです」

<頼れる男! 不完全燃焼も3トライでチームを救ったWTB田中渉太>
「今日は全然よくなかったです…。第1クールで取り組んできたディフェンスも全然上がれなかったですし、ストレスが溜まりました。セットが安定しないこともあって、BKはやろうと思っていたサインはひとつもやってないです。CTBクラッシュとターンオーバーからの切り返しだけ。(五郎丸)歩さんからもこういうときこそBKが体を張って流れをもってこようと。ブレイクダウンもめくられたりと、よくなかったです。関東は停滞した後のプレッシャーがすごかった。それに対抗しきれず、SHの球出しも遅れてしまった感じです。今日はテンポがまったくでず、BKとしてはやりにくかった。ディフェンスに関しては、前に出てCTBのところで止めることが多くて、チームとしてはよかったんですけど、個人としてはもっと相手を狙える位置に立ちたかったなと。そこはこれからの課題です。3トライですか? みんながターンオーバーからボールを繋いでくれたので、絶対に取ってやろうと。倒れそうになったんですけど、その思いで粘って、何とか取ることができました。トライを取れた点はWTBの仕事としてはよかったとは思いますけど、もっともっと積極的に自分からもらいにいけるように。人にお膳立てしてもらうのではなく、自分からもらってガンガンブレイクできるようになっていきたいです。今日はチームとしても課題がたくさん見えました。まずセットの安定、そしてBKの精度、1次ディフェンスは絶対に抜かせない。決勝での悔しさを忘れずに、これからもやっていきます。朝見に取られたトライは僕の責任。もっとキュンキュンに来ると思って、外をロックしたんですけど普通に来て…。もうこんなことはないように責任を持ってやっていきます」

<次はファイナルで!五郎丸歩と中園真司、何を語らう…>