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2024
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対帝京大B(Jr選手権) 昨日の涙はもう枯れた


 一点集中! 接点、激しさ、他のところはどうでもいい! とにもかくにも、生命線で勝つ! 昨日の今日、歴史的?1日のショックを乗り越えて、『豊田組』セカンドチームは、その気概を見せ付けた。このままズルズルと終らせない! 『荒ぶる』は自分たちの手で掴み取る! 「下の人間としては、這い上がっていく人間としては、単純にチャンス。しかもAが負けていたことで、これまでの3年間で今日しかないというくらい大事な1日だと。その日がたまたま大きなケガをして、長いリハビリをして経て迎えた復帰戦。昨日Aが負けた瞬間、これは僕のための舞台だと思いました」(田邊秀樹)…。
 この日の朝、そして試合前もどことなく重苦しい雰囲気が漂っていたものの、いざ戦いが始まると、昨日とは一変フルスロットル。一点集中!の誓いどおり、入りからガツガツと体を当てる、2人目が素早く寄る、行く手を阻む人間を激しく剥がす。10分、ペナルティからの速攻でCTB坂井克行が強く、泥臭く、相手を弾き飛ばしながらインゴールへ飛び込んだのを皮切りに、チーム全員意志を通わせ、『高速』アタッキングラグビーを展開した。
 ミスも多く、チャンスを潰すことはしばしばあっても、この日はスクラム安定(プチリベンジ?)、エリアマネジメントグッド(ほとんど敵陣!ボールを保持し続ける!)、ディフェンスで前に出る意識アリアリと、前日の反省をほぼ100%クリア。これがワセダのラグビーです! 今年のチームの形です! 下のチームがファースト15に手本を見せるという、これまであまりなかったパターンで、ワセダの窮地を救ってみせた。26分、29分、立て続けに飛び出したビューティフルトライで勝負アリ。「昨日はたった7分しかなかったですけど、終ったときの帝京の喜んでいる姿は忘れられないです。すごく悔しかったですし、今日負けたらまたあの姿を見ることになる。絶対やってやろうって」(プロップ山下高範)…。
 さらに、何より喜ばしかったのは、カラを破り、輝きを放つ人間が多数いたこと。完全復活・ここ数試合抜群のパフォーマンスを見せるFB佐藤晴紀。対面外国人選手にひけをとらないどころか、完全に上回っていたCTB坂井克行。その強さ、速さで相手を捻じ伏せたWTB大島佐利。FWで言えば、ついにペネトレーターとしての素質を見せだしたNo8山下昂大。昨日秩父宮でこんなプレーが見られたら…、思わずそう感じてしまう芯の強さは実に魅力的だった。
 そしてそして、最後に触れずにはいられないのが、春先の大ケガを乗り越え、ついにピッチに帰ってきた前年度『荒ぶる』メンバー・田邊秀樹。一言で表すと、やっぱり持ってる。気が利く。ラグビーをよく知っている。後半に入り若干停滞していたゲームを動かした一因は、間違いなくこの男の登場だった。Aチームへの殴りこみ、今からでも遅くない?
 Aチームが負けたことは、確かにショックで大きな出来事。しかし、冒頭・田邊秀樹の言葉にあるように、上を目指す、這い上がっていくべき人間にはこの上ないチャンス。これを機にどれだけの人間がギラギラできるか。サバイバルへの気概を見せるか。ワセダでは、赤黒と『荒ぶる』がすべて。「今日はいいゲームをみんなに見せてもらいました。週明けからまた全員でがんばっていきます。下級生たちももう少し凹んでいつかと思いましたけど、みんなスッキリしていましたし、ビデオを見ながらも、こんなんでは負けて当たり前ですよねと。いい反省ができたと思いますし、負けず嫌いの奴が多いので、やってくれると思います。またここからがスタートです」(主将・豊田将万)。昨日、秩父宮で流した涙はもう枯れた。また明日から、今年のワセダは『Dynamic Challenge』―


<スクラムリベンジ? 最前列の奮闘で勝利をもたらした山下高範>
「昨日ああいう形で負けてしまいましたし、春は勝っても自分のなかではボロボロな試合だったので、今日はやってやろうと思ってました。強い相手に勝つことができてよかったです。スクラムは決意表明でも言ったんですけど、もうすべてを懸けてました。春は電車道で押されたのが悔しかったですし、帝京相手にはスクラムさえ安定すればBKが絶対に取ってくれるので。昨日はたった7分しかなかったですけど、終ったときの帝京の喜んでいる姿は忘れられません…。すごく悔しかったですし、今日負けたらまたあの姿を見ることになる、絶対やってやろうって。今日のスクラムでちょっとは借りを返せたかなと思います。サントリー練に行ったときに、長谷川慎さん、畠山健介さんに組み方のところで色々なことを教わって、コーチとも話して、それを出せてよかったです。ブレイクダウンはやっぱり帝京も強かったですけど、昨日みたいなことにはならず、全員が集中して、SHも捌いて、安定していたと思います。自分たち4年にとっては残りの時間は限られているので、昨日は負けてしまいましたけど、これで下を向かず、『荒ぶる』のためにまた突き進んでいきます。Aメンバーと切磋琢磨して成長できるように、自分たちプロップが盛りたてて。今年はスクラム次第ですから」


<ついに復帰! いきなりそのラグビー勘を見せ付けた田邊秀樹>
「昨日はAの試合で、今日はその同じ相手とBCDが試合。これは滅多にないことですし、下の人間としては、這い上がっていく人間としては、単純にチャンス。しかもAが負けていたことで、これまで3年間で今日しかないというくらい大事な1日でした。その日がたまたま大きなケガをして、長いリハビリをして経て迎えた復帰戦。昨日Aが負けた瞬間、これは僕のための舞台だと思いました。Aチームの負けは…、何て言うんでしょう…、それまで調子自体は悪くなかったですし、普通にやればというか、イメージどおりできていれば、ああはなっていなかったと思います。用意したことがまったくハマらなかったことでパニック。そういう状況で修正する人間がいなくて、上から見ていてもパニックになっているのが分かりました。改めてコントロールが大事だなと。春先ケガした直後は、昨年ああいう形で試合に出させてもらって、今年はリーダーにならないといけないと思ってシーズンインしていたので、どうしていいか分からない状態というか、眠れない日もありました。みんなが活躍している姿を見るのも嫌でした。けど、励ましてくれる同期、一緒にリハビリをしたメンバー、優しく声を掛けてくれたトレーナーさんたちのことを思うと、1日も早く復帰することが恩返しだと。今年1年を棒に振るのは嫌だったので、常識を覆してやろうと、色々動いてやった結果、今日復帰することができました。この時期に復帰できると分かってからは、気持ちも切り替えられました。今日は本当に楽しかったです。今週はずっとFBで練習してきて、今日はWTBと、ポジションは違いましたけど、CTBでもFBでも、自分の役割はポジション関係ないと思っています。まさかトライまで取れるとは…。あれは完全に井上さんのおかげです(笑)。自分はトライを取るより、アシストしたいタイプ。あのアシストは、もう内山さんが貸せと目で言っていたので(笑)。今日は久々の試合でしたけど、普通にプレーすることができました。コンタクトもスイッチが入ってしまえば怖くない。これからももっともっとボールに触る機会を増やしていきたいです。僕がシーズンでプレーできるのは、決勝まで考えてもあと10週間しかなくて、時間はないですけど、他の人にはできない自分の強さをアピールして、最後は赤黒を着て、ピッチに立っていたいと思います」


<A入り見えた?突破役としての資質を存分に発揮したNo8山下昂大>

「今週のはじめはB裏で、先週もチャンスをもらえたのは25分、そこからスタメンの機会を得ることができたので、今日はとにかく自分の持ち味を出そうと思ってました。楽しもうって。昨日、今日の朝、そして試合前もやっぱり雰囲気は重かったので…。自分自身もあの赤黒を着ている人たちが負けるのを見るのは初めてくらいの感じでしたから。その分もやってやろうというか、自分たちはそうならないようにと。思っていたように試合を楽しむことができましたけど、最後の詰めのところで自分勝手なプレーをしてしまって、チームに迷惑を掛けてしまったので、そこは反省です。最近ずっとシニアでプレーさせてもらっていて、自分はアタックアタックの人間なんですけど、ボールのあるとこあるとこ意識して、タッチも増えてきて、味を出せるようになってきてるかなと思います。コンタクトに関しても、Aチームは強いですけど、練習でガチのある日はアドレナリンが出るというか、怖いとは感じず、楽しめています。今日はチームとしても、いいゲームであったと思います。意識していた接点についても、やっぱり球際のうまさはありましたけど、ワセダもひとりひとりが仕事をすれば、きちんとボールが出た。ときに人数を掛けたとしてもしっかりとリサイクル。自分たちの形は出せました。このままBチームにいてもおもしろくないので、少しでもAに絡めるように。Bにいたとしたら、練習からAが恐怖を感じるような存在でいたいと思っています」


<一夜明けてスッキリ? 前を見て思いを新たにする主将・豊田将万>

「今日も負けたゲーム(Cチーム10-48)はよくないときの形。ワセダがハマるゲームが改めて分かりました。やっぱり肝はブレイクダウン。B、Dはそこで負けることなく、ワセダのやるべきことがしっかりできていた。やっぱり原点に返ること。今日はいいゲームをみんなに見せてもらいました。週明けからまた全員でがんばっていきます。今日の朝、Aメンバーで集ってミーティングをしました。悪いところがたくさん出ましたけど、なぜそうなってしまったのか、原因、始まりのところを大切にしながら2~3時間。昨日の夜は…、後藤さん(コーチ)が寮に来てくださいました。後藤さんの代のときの話もしてくれて、「俺たちも日体大に負けて(まさかの大逆転でした…)から優勝した。大したことねぇ」と。励まして頂きました(笑)。下級生たちももう少し凹んでいつかと思いましたけど、みんなスッキリしていましたし、ビデオを見ながらも、こんなんでは負けて当たり前ですよねと。いい反省ができたと思いますし、負けず嫌いの奴が多いので、やってくれると思います。またここからがスタートです」

<WTB大島佐利、爆走連発!ファーストフェーズ1位通過決定!>