真っ青な空の下、時折肌に春風を感じる早大・上井草グラウンドで春季オープン戦の東海大DEとの試合がおこなわれた。今試合の前に行われたBC戦では圧倒され、敗戦を喫した中で迎える。敗れた試合に出場した選手も多く残り、東海大にリベンジを果たせるかが注目された。前半は相手のスピードと連続攻撃に苦しみ、14-27と大きくリードを許す展開に。しかし後半、早大DEはFWとBKが一体となった見事なアタックで猛反撃を開始。CTB能町光(スポ3=神奈川・⽇⼤藤沢) のハットトリックの活躍などで、一時は43-32と逆転に成功する。このまま逃げ切りたい早大DEだったが、終盤にペナルティーや勝負所でのミスが重なり、東海大DEに再逆転を許してしまう。最終盤の執念の猛攻もあと一歩及ばず、わずか1点差での惜敗。見事なカムバックで底力を見せた一方で、試合を勝ち切るための精度の課題が残る激闘となった。

多数の観衆の声援に包まれる中始まった今試合は、いきなり東海大DEが大外からチャンスを演出し、早大DEはピンチを迎える。その後もう一度エッジにボールを運ばれると相手のスピードに追いつけず、先制点を許してしまう。
これ以上離されたくない早大DEはPR原幹司(社3=東京・早実) などの好タックルなどで攻撃の芽を摘みつつチャンスをうかがう。すると10分、相手ゴール前でラインアウトを獲得。ボールを確保した早大DEはモールを形成して前進。そのまま最後はHO⼩笠原正義(商3=東京・早実)がグラウンディングし、ゴールも決まった早大DEは逆転に成功した。
しかしその後のリスタートボールを東海大DEにスティールされ、ゴールラインを割られてしまう。息もつかせぬノーホイッスルトライで短い逆転劇となってしまった。
早大DEはここから苦しい時間を迎える。東海大DEに立て続けに3本のトライを許し、得点差は7-27と大きくリードを広げられる。その間、早大DEもチャンスのシーンは作り出すもののパスミスやペナルティーで得点にはつながらない。
それでも前半アディショナルタイム、CTB東佑太(スポ1=東海⼤⼤阪仰星) がこぼれ球に素早く反応し、拾い上げると相手ディフェンスから逃げ切って反撃に成功。14-27と2トライ2ゴール圏内に差を縮め、後半に望みを託す形で前半を終えた。

選手が多く入れ替わって迎えた後半。早大DEは一気に攻めの姿勢を見せる。敵陣深くでのラインアウトを獲得するとボールを確実に収め、モールを形成。そのまま押し込み、HO⽯原遼(スポ2=神奈川・桐蔭学園) がトライを決めた。後半開始2分での得点だった。
この勢いで連続得点を狙う早大DEだったが、そこからは両者ともに攻守が入れ替わる互角の攻防を繰り広げる。この均衡を破ったのは早大DEだった。早大ボールのラインアウトが逸れ、相手のもとへ。しかしクリーンに保持できずその隙を早大DEが見逃さなかった。ボールを奪うとパスをつなぎゲイン。続けてSO⽵⼭史人(スポ1=神奈川・桐蔭学園) が内返しでFB河村和樹(教1=東京・早実) にボールを託すと相手の裏をかく形で再びラインブレイク。冷静なオフロードパスで確実につなぎ、最後はCTB能町光(スポ3=神奈川・⽇⼤藤沢) がゴールポスト右に飛び込んだ。
さらに能町はその6分後、おなじくCTBの佐々⽊凜太郎(スポ1=東京・⽯神井)からのフラットなパスに走り込み、独走トライを奪った。両CTBの連携で東海大DEの守備を翻弄した。24分にもトライを取った能町はハットトリックの大活躍。得点への鋭い嗅覚を存分に発揮した。
28分には東海大DEに得点を許すもすぐに取り返し、残り10分の段階で43-32のリード。早大DEに分があるかのように見えたが、東海大DEはわずかに守りの姿勢から受け身に回った早大DEのほころびを見逃さなかった。早大DEがスクラムでコラプシングの反則を取られると36分にラインアウトからモールでインゴールに持ち込まれてしまう。43-39。もう1トライも許されない状況に持ち込まれる。
早大DEはキックオフからのボールをスティール。勝利への道が見えかけたが、その後のパスで痛恨のノックフォワード。これを起点に東海大DEが展開すると、ディフェンスのギャップを突かれ、再度勝ち越しを許してしまう。
アディショナルタイムに入り、ミスが許されない中でのリスタート。早大DEが蹴られたボールをキープするとグラウンドを広く使ったアタックで両者総力戦となる。一時インターセプトをされるもすぐに反応し、ノットリリースザボールの反則を誘った。このプレーでチャンスを得た早大DEは敵陣深くでラインアウトを獲得し、最後の望みを託す。しかし、逸る気持ちに乗せられたかボールは早大DE側へ。ノットストレートの反則の笛とともにわずか1点差での敗北を喫した。

前半の厳しい展開を後半で立て直した早大DE。フォワードとバックスの連携した一体感のあるアタックは見事だった。その反面、CTB吉廻温真(スポ1=早稲⽥佐賀) がインタビューで語ったように重要な場面でのミスやスキル面での精度の課題も浮き彫りとなった。惜しくも勝利には届かなかったものの、大きなビハインドを跳ね返した猛攻はチームにとって確かな収穫だ。この1点差の悔しさを糧に細部の精度を突き詰め、次戦でこそ最後まで主導権を握る強い早稲田ラグビーを体現してほしい。
記事:髙木颯人 写真:吉田さとみ(早稲田スポーツ新聞会)
