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2024

大東文化大戦・観戦記

大東文化大戦・観戦記

ついに大学選手権が開幕。ワセダの目標12年ぶりの大学日本一ただひとつ。悲願への第一歩として透き通るような青空の下、秩父宮ラグビー場にて大東文化大との試合に臨んだ。


早大は開始からボールを支配。グラウンドを広く使った横への揺さぶりから7分、11分と立て続けにトライを挙げ、幸先の良いスタートを切る。このまま勢いに乗り前回の交流試合(9月23日、50-5で勝利)同様一気に差を広げるかと思われた。
しかしここからは相手のシャローディフェンスをなかなか崩すことができず、イライラの募る展開。さらにはワセダの命である密集からの球出しにも時間が懸かってしまい、思うような形に持ちこむことができなかった。攻めながらも点数を取れない時間が続いた後にはディフェンスも甘くなり連続してトライを献上。このまま試合は拮抗し、14-12と僅か2点のリードで前半を折り返した。
後半に入ると流れは一変。ワセダ得意の形に持ちこみ相手を圧倒し始める。まずは5分、13分とゴール前のペナルティーからのサインプレーで連続トライ。前日の練習で確認していた意図どおりの形で相手を切り崩した。そしてこの直後の『継続』プレーが今年のワセダの真骨頂。相手キックオフからこれでもかとばかりに連続攻撃を仕掛け、最後は武川正敏、沼田一樹(ともに4年)のCTBコンビで鮮やかにトライを挙げた。キックオフから途切れることなく2分近くもボールを動かし続けた「これぞワセダ」と言うべき見事なトライ。試合を決定付けたこのプレーに清宮監督も満足そうな笑みを浮かべた。そしてこの後もフィットネスの違いを存分に見せつけゲームを完全に支配。終わってみれば49-24と大差で勝利を収めた。
最終的に点差は離れたが試合後の選手たちはどこか浮かない表情。やはり早明戦来の課題である『接点』の部分がうまくいかなかったところにその原因があるようだ。確かにより厳しい相手と対戦していく今後のことを考えると修正の余地があると言えるだろう。

<清宮監督試合後のコメント>
「試合開始直後に相手がシャローディフェンスしてきた時はまさかと思った。大東がやるなんてと(笑)。まあ相手がシャローで来た時にはこう対応していこうというのは準備していた。今後もワセダに対しては早い出足で勝負してくると思うのでもっとクリアにして整理していかないと。メイジ戦の時の課題である密集でのターンオーバーが今日も出たのが気になった。やられているところ分かっているのでしっかり指導します。スコア的には50-20くらいになるだろうと思っていた。ただ内容はちょっと。ここぞというところでBKでトライが取れなかった。修正するところがいっぱいあって、コーチ陣の仕事をたくさん作ってくれましたよ(笑)。トライの取られ方もあまりよくなかった。相手が用意してきた意図どおりの攻めで取られるのはいいけれど、自分たちのミスから取られるのはよくない。ケガ人の状況は羽生(憲久、3年)が今病院、山下(大悟、3年)は来週末に復帰、西辻(勤、4年)上村(康太、3年)は1月2日に照準を合わせて走っているところ」

<左京主将試合後のコメント>
「前半みたいにあれほど球が出てこないとうまく試合が運べない。精度をもっと高めないと。後半は相手が疲れていたというのもあってできたけれども、前半からできるようにしないとだめ。技術的な問題。ボールキャリア、ボディーコントロール、1人目がしっかり足を掻くとか、2人目がしっかりスイ―プするだとか練習でやっていることがどれだけできるかが大事。ディフェンスはビデオを見ないと何とも言えない。今日は相手どうこうというより自分たちが悪かった」

<この日も鋭い突破を見せたNO8佐藤喬輔(4年)>
「球を持ちこんでの反則などでリズムを崩してしまった。あのくらい(の相手の密集での強さ)だったら2人目、3人目がスイ―プしてボールをださないと。今日は全然だめだった。ランナーも浅いしFWが走れていない。FW戦もちょっとやられていた。自分の出来も最悪です。清宮さんの無言の厳しい視線を感じました。練習の雰囲気もあまりよくなかったし、どこかで気が緩んでいたのかもしれないです。勝って反省できるのが幸いです。この先は一戦一戦やるだけです」

<力強いアタックでチームを引っ張ったフランカー岡本雅史(3年)>
「久々のスタメン(日体大戦以来)だったけど特に緊張はしなかった。ワセダは突破型の選手が多いから今日はディフェンスで見せようと思っていたけどイマイチだった。アタックはよかったけれどゴール前でノックオンしちゃったんでまだまだ。スイ―プはボールの上にしっかり入れなかった。FWのゴリゴリは辛かった。前半はテンポもよくなかった。羽生のプレー+自分のアタックが出せればと。羽生の変わりというより岡本でいいじゃんというところを目指したい」

<SH田原耕太郎(4年)>
「前半はあんなもん。後半にこうなることは分かっていた。前半のうちから空いているところは分かっていた。前半は布石。だから点数が詰まっているあせりとかはまったくなかった。最初はあっちも元気だから。シャローディフェンスにちょっと戸惑ったところもあったけど…。前半はスイ―プが悪かった。これからはひとつひとつプレーの精度を高めていきたい」

<SO大田尾竜彦(2年)>
「相手がシャローで自分にもレイト気味に来ていることは感じていたけれど、回していればバテルだろうと思った。後半はそれで抜けた。そこの部分は意図どおり。トライが今一歩のところで取れなかったのはパスの精度の問題。いつもとメンバーが変わっていたというのもある。練習はしてきたけれどもやはり試合で合わしていく部分というのもあるから。その点で少しいらつく時もあった。シャロー対策ももっとやっていけば大丈夫だと思う。もう少し楽にというのは言い方が悪いけどキックを使うのもいいかなと」